それは、スタートして間もなく、高橋勝成を襲ってきた。1番パー5のフェアウェイからの第2打。残り248ヤードを3番ウッドで狙ってピン手前5メートル弱に2オンを果たした。これを決めてイーグル発進となったのだが…。
「今日は、気持ちよくラウンドできそうだな、と思ったのは、大間違いでした。数ホールいくうちに、ドライバーショットのリズムは乱れるし、セカンドショットの感覚もなくなってしまった」
具体的には、どういうことなのか。
「スウィング、ショットのイメージは、はっきりとつかめているのに、体が反応してくれないんです。頭は30歳代のままで働いてくれているのに、体が、やっぱり60歳を間近にするレベルになってしまっているんでしょうね。これだけ頭と体のギャップを大きく感じたのは初めてです。そういう意味では、今日は、自分の中で何かの記念日になりそうです」
ショットがままならない。うまく体が反応してくれたホールではバーディも決められたが、全体の流れとしてはピンチをしのぐゴルフだった。おかげで、つかめたこともある。
「自分はショットが持ち味で、そのショットがぶれはじめると、ゴルフが淡白になってしまう傾向が強かったのですが、今日は、それでも粘り強くスコアをまとめることができた。これ、大きな収穫です。このあと、練習場でギャップを埋めるための調整をしなければなりませんが、それが埋まり切れなくても、最終ラウンドは、今日みたいに粘り強くプレーできると思います」
シニア選手は、転んでも、ただでは起き上がらない。
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