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【木戸愛は一瞬の逡巡からスコアを崩し24位タイに終わる】 |
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第4日
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競技報告:三田村昌鳳 写真:Gary Kobayashi |
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木戸愛は、この試合中ずっと緊張感の中にいた。自分が毎日スコアボードの上位にいる。第1ラウンド2位。第2ラウンド2位。第3ラウンドで首位タイ……。迎えた最終ラウンドは、緊張するなというのが無理である。最終ラウンド、最終組……。「そこに自分がいられて……」と言いかけて、木戸は、涙ぐんだ。それは、悔しさいっぱいの涙だった。
1、2、3番をうまくパーでくぐり抜けて迎えた4番が、22歳の木戸にとっては、おそらく忘れられない悔しいホールになったに違いない。
530ヤード、パー5……そこでトリプルボギーの8を叩いてしまった。
ティーショットを左のラフ。木戸は、そこで逡巡した。
「ボールが見えていたの
で……」と言った。
確かに、真上から見るとボールは見える。そこの深いラフは、逆目でも順目でもない。草が立っていた。もし、逆目ならば、迷わずフェアウェイに出す決断ができただろう。また、順目ならば、迷わず前に(狙うことを)決断しただろう。
でも、迷った。ボールが見えている。
「ボールが少しでも、見えていたので……」木戸は、前への決断をした。ところがそのショットもラフに食われて、同じ左ラフ。さらにラフからラフ。4打目も、木に当たってラフ。5打目でグリーンエッジ。6オンで、2パットの8である。
1打を打つたびに、頭の中が真っ白な自分が、さらに真っ白になる。
もし……。もう一度、やり直せるものなら?
「迷わず横に出します」と木戸は、答えた。
7番ですかさずバーディとしたものの、後半にはつながらなかった。12番でボギー。15番でダブルボギー。さらに17番でもダブルボギー。そして18番でボギーを叩き、この日80で24位タイに落ちた。
優勝したのは、同じ最終組で回ったフォン・シャンシャンだった。
「どんな状況でも冷静で、その状況に応じて臨機応変。私は、マネジメントの部分がしっかりとやり切れていなかったことが結果として悔しいです」。
木戸は、悔しさに満ち溢れていた。
ボールが見えていても、何も(適切な判断が)見えないこともある。それがゴルフの難しさなのだ。
22歳の木戸愛にとって、確かに悔いが残る1打。ジャッジメントだった。けれども、それは次のゲームに、きっと生かされる1打でもある。
若さの1打は、きっとこの先の夢の1打だと思いたい。
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