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【平塚はアジア、ヨーロッパで得た経験を活かして首位に】 |
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第2日
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競技報告:三田村昌鳳 写真:Y.Watanabe |
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誰が名付けたのか技のデパート……つまりは、多彩なテクニックや引き出しをふんだんに持っているということなのだ。その技のデパートという言葉をいま使うとすれば、現在のツアー選手の中で平塚哲二は、まさにその代名詞がつく一人だ。
「いや、ショットの調子がいまいちよくなくて……」と言いながら、第2ラウンドが終わって現在通算1オーバーパーで首位。2位の小田孔明を3打引き離している。
ショットの調子が悪い……普通ならば、これだけタフにセッティングされているコース、加えて台風の影響で第1ラウンドが風速10メートルを超え、2日目も6メートル強。さらにグリーンは硬い状態ならば、スコアをまとめるのは、極めて難しい
。
ところが平塚は、違っていた。
昨日が73、そして第2ラウンドが70。「え? 風ですか? 強かったけれど、普通に、ですね」と答えてしまう。彼の普通という基準は、日本ツアーのことではない。アジアン・ツアーやヨーロッパ・ツアーでの経験と比べれば、という基準なのだ。
「いやヨーロッパでは、さんざん打ちのめされましたしね。だからいつのまにか、普通になっちゃったんですよ。え? ラフのティフトン芝ですか? 苦手です。うーん。このコースだけでなく、どんなにタフなコースでも、単純に難しいと思うくらいで、あんまり気にしないんですよ。2日間、一緒に回っていた友利(勝良)さんなんかのプレーを見ていると、ほんと上手いんですよね。真似できないないなぁって」
実は、平塚は、練習ラウンドをプレーしたあとに、すぐにウェッジをもう1本増やすことを決めた。そして彼が選んだのは、59度と60度のウェッジを2本、バッグの中に入れることだった。航空便で送ってもらうようにしたのだが、結局、1本は、市販品を買ってきてもらってバッグに入れた。
「このコースセッティングならば、クリークと2番アイアンは、使える場面がないと判断しました。たぶん、ショットもいまいちだし、ボールがどこへいくか解らない。するとグリーン周りとか、ラフとかの対策として、ウェッジの2本と考えたんです。ええ、ヨーロッパ・ツアーでも、時々、日本でも2本入れることがありますけどね。59度は、フェアウェイとバンカー用。60度は、ラフとたまにバンカー用……。もちろん、(ロフト角度だけでなく)形状も違うタイプですけどね」。
その60度のウェッジをラフから使ってバーディを獲ったのが、この日は、スタートの10番と後半の2番だったという。脱出できないほどの深いラフに入ったときのも、このウェッジが有効だったわけである。
一病息災ではないけれど、ショットが、いまひとつ調子が悪いという状態を、平塚は、マイナス志向で考えなかった。むしろ、いまある自分の持ち球(引き出し)をどういうふうに有利に使おうかと考えた。
「幸い、アプローチとパッティングが、結構いい感じだったんです。朝の練習グリーンでも、流れ的に(4、5メートルの距離なら)とれるかな、という感じがしたんですよ」。
平塚にとっては、それが命綱だった。
「とりあえず安全に……。でも、途中でバタバタしても、アプローチとパッティングで、なんとかまとめられる。だから、途中は、あまり考えるのはよそう」。
その作戦と思い切り、そしてアジアン・ツアー&ヨーロッパ・ツアーを戦い抜いてきた経験が、この2日間生かされているのだろう。
「これが、4日間持てばいいんですけどね」と、顔をくしゃくしゃにして笑った。
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