2013年度(第46回)日本女子オープンゴルフ選手権競技
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Championship Reports
競技報告
【宮里美香は5ストローク差の首位も「あってないようなもの」】
第3日 競技報告:三田村昌鳳    写真:G.Kobayashi / Y.Watanabe
2位の菊池絵理香とは5打差で、明日の最終ラウンドを迎える宮里美香。その5ストロークの差は「メジャー(大会の場合)では、あってないようなもの」と言った。一見、独走態勢と思えるが、首位を走る選手には、悩ましい距離感である。気持ちの緩みが、一度でもショットに表れたら、ボギーどこ ろかダブルボギーになる。それは、負のスパイラルになりかねない。むしろ1打1打の僅差で竸っている方が、緊張感がうまく働いて、ほどよい勝負の 弦の張りになる。それでもメジャーとなると、どんな状況で首位に立っていても最終ラウンド最終ホールの最後のパッティングを入れ終えるまでは、解らない。
事実、宮里は今年から女子のメジャー大会と
なった、フランスのエビアンマスターズで第3ラウンドを終えて首位だったが、最終ラウンドに78を叩いて19位となった苦い経験がある。

宮里美香は、第3ラウンドを、こう振り返った。
「凄くドタバタな1日でした。ティーショットが不安定で、ラフに入る回数が多かったんです。ラッキーなことに、打てるラフが多かったのが救いでしたけど…。ともかく(このコースの攻め方は)手前から手前からというのが原則なので、今日は、その気持が強すぎたのか、アプローチが良くなかったかなぁ。もちろん、いいパーセーブもありましたけど…」。
宮里の上手さのひとつは、ショートゲームの距離感と判断力だ。感覚的にスッーと、弾道のイメージが湧いてくる。上げる、転がす、止める、低い球…。それが「転がす、上げるという判断がちゃんとできていないで打ってしまった」という逡巡があったという。
攻めきれない理由もある。雨ということもあり、ホールロケーションは傾斜面に切られているケースが多い。だから、寸分の距離感、打ち方のミスで大怪我をするという背中合わせもある。

1番でボギー。これはティーショットが左ラフ。6番でボギー。これはティーショッ
トが右のラフ。そして、15、16番のボギーも同様に右、左ラフに入れた第1打からの影響だった。「反省点は、15、16番のボギーです。このセッティングですからボギーを叩くのは仕方ないけれど、でも、イージーボギーはダメですね。この2ホールは、しっかりとパーセーブできる(はずの)状況だったので、悔いが残ります」。

「やっぱりパッティングが凄く上手になりましたね」というのは、同じ組で戦った大山志保だった。2008年に宮里と一緒に米女子ツアーの最終予選会に挑んで4位で突破して翌年米女子ツアーで戦ったことがある。そのときに、よく宮里とは一緒にプレーしている。
今日も4~6メートルの距離をうまく沈めてのバーディだ。大山は「どこからでも入りそうな転がりとラインの読み」だといった。そして宮里は 「(パッティングの)距離感は、いいと思います」と言っている。カップの周辺で微妙に切れるラインまで読みきっているのが、宮里の生きたボールの 転がりなのだろう。
もうひとつ「あのころはドローボールが主体でしたけど、いまはフェードもしっかりと打ち分けられていますね。そこが大きな違いだと思います」と大山が言った。でも今日は、そのフェードを意識しすぎて「少しプッシュすることが多かった」と宮里は反省する。

凄くドタバタなプレー内容と表現した第3ラウンド。
「自分自身の戦いだと思います。(今日のドタバタゴルフも)自分の中でどこまで変えられるかですね」と明日、最終ラウンドの気持ちを、きっぱりと 言った。

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