|
いま、日本の女子プロゴルファーとして活躍している選手の多くは、JGAナショナルチームの卒業生だ。
1984年の世界アマチュアゴルフチーム選手権で日本代表優勝を機に、ゴルフを通じての国際親善と日本ゴルフ界の発展に寄与する人材を育成するためにJGAナショナルチームが発足した。男子では松山英樹、片山晋呉、池田勇太。女子では、宮里藍、横峯さくら、有村智恵、宮里美香など世界を舞台に活躍する選手もいる。日本の女子プロ界に旋風を巻き起こしている注目選手が、この卒業生だ。さらに現在アマチュア選手として活躍しているナショナルチームの選手が、未来へと引き継がれている。
2020年の東京を目指して、彼女たちの飛翔に期待したい。
|
|
|
2007年クィーンシリキットカップ選手団
右から藤本麻子、森田理香子、宮里美香 |
|
|
|
過去の主なナショナルチームメンバー
比嘉真美子/堀奈津佳/香妻琴乃/渡邉彩香/酒井美紀/藤本麻子/宮里美香/森田理香子/大城さつき/斉藤愛璃/櫻井有希/服部真夕/若林舞衣子/有村智恵/一ノ瀬優希/佐伯三貴/原江里菜/吉田弓美子/諸見里しのぶ/青山加織/井芹美保子/宮里藍/横峯さくら/上原彩子/北田瑠衣/古閑美保/下村真由美/大山志保/東尾理子/米山みどり/服部道子/福嶋晃子 |
|
|
|
|
|
|
スーパールーキー比嘉真美子 |
|
ナショナルチーム卒業生として、本選手権で最初に注目されるべきは比嘉真美子であろう。日本女子アマチュアゴルフ選手権がマッチプレー形式に変更されてから初の連覇の偉業を達成してプロ転向したのが昨年のこと。
|
今シーズンはプロフェッショナルとして開幕からフル参戦しているツアールーキーである。第5戦のヤマハレディースで最終ラウンドに12位タイからのスタートで逆転したのがプロ初優勝。さらに第13戦のリゾートトラストレディスでは首位タイで迎えた最終ラウンド、リードを守り切って2勝目を挙げた。追い上げと逃げ切り。どちらのパターンでも自分の流れをつかんだときには、いかんなく強さを発揮する。
連覇のかかった2012年日本女子アマチュアゴルフ選手権で会場入りしたときから「勝ちます。今の自分には、自信しかありません」と堂々宣言して、言葉どおりの結果を残したことは、良く知られたエピソードだ。 |
|
|
プロ転向すると、今度は「賞金女王の座を射止めてUSLPGAツアーに挑戦し、世界に戦いの場を広げていきたい。オリンピックにも日本代表として出場したい」と、青写真を広げて見せた。有言実行。スーパールーキーのモットーとしているところだ。ツアー屈指の飛距離を武器にした攻撃的ゴルフは、ギャラリーも楽しませてくれる。 |
|
大ブレークした堀奈津佳
堀琴音との姉妹対決が楽しみ |
|
比嘉よりも1学年上で、先にプロ転向していたのが堀奈津佳。ルーキーイヤーだった昨年はステップアップツアーで2勝してレギュラーツアーへの足場を固め、今シーズン一気にブレークした。アクサレディスでプロ初優勝。比嘉の初優勝の1週前であった。さらにアース・モンダミンカップで2勝目と、複数回優勝も果たしている。堀は、ナショナルチームでも比嘉の1年先輩で、チームメンバーとしてともに国際競技でも活躍した。ステディーなプレースタイルと巧みなパッティングで安定したゴルフを身上としている。獲得賞金でも、両選手は接近しており、どちらが上位にいくのかにも注目したい。
本選手権、堀には、もうひとつの対決が待っている。実は、妹の琴音がアマチュアとして出場する。琴音は、現在ナショナルチームの一員で、日本ジュニアゴルフ選手権競技の15-17歳の部の優勝者だ。トップで最終ラウンドを迎えることになった妹を、姉はCAT Ladiesの会場であった箱根から短いメールで激励した。中味は「びびるな」と、ほんのひとこと。妹は「何を言っているの?」と軽く受け止めていたというが、いざ最終ラウンドを迎えて序盤に、姉の言っていた意味が重くのしかかってくる展開となり「このことか…」と、短いメールを思い返して冷静さを取り戻し勝ち切った。ホールアウト後、今度は妹が姉にメールした。こちらも短く「勝ったよ」。
そんな姉妹が、日本女子オープンでは同じ舞台に立つ。 |
|
|