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【宮里美香は、涙の優勝も「自分のゴルフが甘い」】 |
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第4日
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競技報告:三田村 昌鳳 写真:G.Kobayashi / Y.Watanabe |
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長い長い18ホールだった。宮里美香のゲームをこれだけ波乱万丈にしたきっかけは、スタート前の練習グリーンにあった。
「あれ?」と感じてしまった。「今日のグリーンは、重い」という感覚が宮里をずっと苦しめた。もともと宮里は感覚が鋭く、その感性をゴルフを組み立てる。その宮里が自分で「重い」と感じてしまったことが、まさか9番ホールまで苦しいゲーム展開をさせてしまうとは、当の宮里すら信じられなかっただろう。
1番でいきなり1.5メートルを外してボギー。3番で6メートルの距離を2メートルもショートして3パット。4番でも10メートルを2メートルもショートした。
「強く打ってないなぁ。スピードがつかめ
ないなぁ。どうしよう…」この不安定に揺らぐ気持ちが、宮里のゴルフに「変なプレッシャー」をかけたのである。
8番でまたボギー。2位との差は一気に縮まった。
「さすがに3番、8番のパー5でボギーを叩いたときには、気持ちが折れそうになりました」と言う。救われたのは、9番ホールだった。難しい9番でナイスパーとしたときに、ようやく「大丈夫だなと確信することができました。まだ9ホールある!」。
そして、なによりも大きかったのは11番のバーディである。545ヤード、パー5。残り124ヤードの第3打を9番アイアンで2メートルにつけ、それを沈めてバーディをとったことで、宮里は、本来の自分のゴルフに戻れたのである。
「9番でキャディの加藤(大幸)さんに、難しく感じるかも知れないけれど、楽しくやろうと言われたんです。私的には、そう考えていなかったけれど、客観的に見ればそう感じたのかも知れません」そんなやりとりのあとの11番のバーディだった。「前半、落ち着いてプレーできていなくて、11番のバーディでやっと落ち着いてできるようになりました」。
13番では1メートルを沈めてバーディ。ところが14、15番とボギーを叩く。この時点でプレーオフも視野に入れなくてはいけない展開になった。ピンチは続く。17番だ。グリーン右端から尾根越えの13メートルの距離を2メートル近くショートしてのパーパットを残した。
「いちばん緊張したパッティングでした」と宮里は言った。11番に次いで2度目のガッツポーズをした瞬間だった。
「18番は、自分にとってはチャンスだ」と思ったのは、11番のバーディのあと2ボギーをしていたころだった。案外冷静でいられたと彼女は振り返 る。最終18番、489ヤード、パー5。3打目は残り70ヤード、アゲンストだった。好きな距離のアプローチである。その得意なはずの距離を引っ掛け てピン奥6メートルのスライスラインを残してしまった。
これを外して2パットのパーでプレーオフ。3パットならば負ける。佐伯三貴はすでにプレーオフの準備を整えている。菊池絵里香もそれに加わる3人 のプレーオフの可能性があった。
スピードをどういう風につかむか。ラインをしっかりと読む。それを後半、何度も言い聞かせていた。ラインを見た。「するとラインは、よく見えていたんです。そしてここに打たなければ入らないという点も、キャディからも指示されましたし、自分でも解っていました」。
これを決めたら勝ちだな、と自分に言い聞かせたという。宮里の表現を借りると「タラタラタラタラのスライスライン。でも、ストロークはしっかり」 という状況だった。
それを入れる前、そしてボールがカップに沈んでガッツポーズしてからも「不思議な感覚でした」という。「(入った後の)達成感とウワーッという感じが入り雑じって、加藤キャディから「よく入れたね。やったやった」と言葉をかけられたときに、涙が溢れた。溢れ出る涙を宮里は思い切り手で拭った。宮里美香は、これで日本女子オープン2度目の優勝。複数回優勝者の9人目となった。
「いやー。凄くお騒がせした(ゲーム展開の)感じで…。 まあ自分のゴルフが甘いなという反省はあります」と締めくくった。
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