7バーディ・ノーボギー。井戸木鴻樹にとって、ノーボギーの18ホールは「ほんとに久しぶりだった」という。1番でバーディのあとに、2番ではチップイン・バーディ。それで気持ちが「落ち着いた」という。続く、4、5番とバーディを重ねて、5ホールで4バーディ。「気持ちに余裕ができると、ほんとにゴルフが変わるんですね」と井戸木は語った。
それは、今日のラウンドのことだけではない。昨シーズンは、肩痛などもあって、どうしても気持ちの余裕がなかったのだという。「精神的な乱れが、あったんですね。どうしてもいい成績を出さなければ。バーディを獲らなければと、先走るゴルフをやっていたんですね。それを、シーズンオフから、
気持ちを切り替えて、そういう精神的な乱れでショットを悪くするのは意味がない。バーディが入らなければイライラという気持ちを捨てて、自分の中の基本にしっかりと戻ってやってきたことが、少しずつ今シーズン出てきたのだと思います」
ティーショットでドライバーを使ってフェアウェイを外したのが3回。バーディパットで最も長い距離は、14番ホールの6メートル。「あとはほとんどワンピン以内だったと思います。それでも、半分ぐらい(バーディパットを)外した感じですよ」と井戸木が言うように、ショットが絶好調だった。
この大会の前週にアメリカのPGAチャンピオンズの大会が、日本で開催された。「久しぶりに(アメリカで戦っていたPGAチャンピオンズ仕様の)、結構厳しい距離、ピンの振り方を経験してここに来たので、自分のゴルフの感覚が、そのまんまでプレーできたので、それも良かった気がします」
終盤の16番でも1メートル強のバーディパットを外して単独2位になる8アンダーパーには届かなかったけれど、尾崎直道と並んで2打差の2位タイで第1ラウンドを終えた。
「このタイトル、獲りたいですね。これまで3ラウンド半(最終ラウンド前半)までは、優勝争いで(勝てる)チャンスがあって逃しているんですよ、だから、なんとか獲りたいですね」と、井戸木は、闘志を燃やしていた。
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