一時は、カップに入ったボールを拾う動作すらできなくなるほど腰痛が酷かった。腰椎分離症のほかに腰椎骨化症が重なっていたのだ。今年7月はじめのKYORAKU MORE SURPRISE CUP 2017から棄権し、ついこの間までの3ヶ月間の苦しみだった。
「ほかの選手にも迷惑がかかりますし、それ以上に痛くて痛くて……。先週のJAL選手権(米シニアツアー)のときに、ある人から病院の先生を紹介していただいて、そこで治療してあるていど軽減でき鈍痛はなくなりました。それでも完治ではないのでだましだましプレーしています」と、その苦しさを語ってくれた。今シーズンは断念しようかとまで追い詰められた。
10番
からスタートして、いきなりバーディ。14番でボギーの36で折り返し、続く1番で48ヤードのアプローチが入ってのイーグル。3,4、6番とバーディを奪って31をマークして5アンダーパーで4位タイにつけた。
崎山は、普段の距離で使っている番手を、1〜2番手大きなクラブにしないと同じ飛距離がでないほどだった。「だって150ヤード、5番アイアンという時期もあったんですよ。いまでも6から7割ぐらいしか振れませんけど、ようやくそのスウィングで縦距離を(試合で)合わせられるようになりました」と言う。崎山は、スウィング幅を変えずにスウィングスピードを変えることによって、距離感を合わせている。半クラブの距離を調整するのだ。
「例えば、今日のプレーでいえば、4番(パー3・154ヤード)で、他の選手が7番アイアンを使って打っているんですけど、僕は8番アイアン。ひとつ大きなクラブで、半クラブ分の距離調整をスウィングスピードでコントロールしています」と話すが、口でいうほど簡単なことではない。実践で、プレッシャーがかかっても、そのスウィングスピードが保てる努力が必要になる。崎山の隠れた努力だった。
崎山にとっても、このタイトルは、欲しいに決まっている。でも、それ以上に、1年を捨てる覚悟でいた今シーズン。それがプレーでき、競り合って上位で第1ラウンドを終えたことも、さらに嬉しい。その気持の高揚が、きっと明日からもいいゲームを見せてくれるに違いない。
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