「(スコアボードの)1番上にとんでもないスコアの人がいたから、少なくとも2ケタアンダーパーにもっていかないと面白くならないと思っていたんですよ」ホールアウト後に、ちょっと口惜しそうに切り出したのは真板潔だった。とんでもないスコアというのは、もちろんプラヤド・マークセンの通算18アンダーパー。午後組の真板は、この数字を見てからのスタートだった。この時点で1アンダーパーからの追撃である。「それこそ気の遠くなるような差ではあるけど、こっちが彼を上回る大爆発をすれば、後半のラウンドでの勝負に持ち込める。そう思ってスタートしたんです」。
1、3、5番とバーディを重ね、流れを作り出したかに見えた。そ
れを変えてしまったのが8、9番ホールだった。8番(パー5)は2メートル、9番(パー4)は1.5メートルと絶好のバーディチャンスだったのだが、ボールは、いずれもカップ横を通り抜けてしまった。そして、12番ホールの3パット。真板は気を取り直して13番から3連続バーディ、さらに17番ホールでもバーディを奪ったが、この日66止まりだった。14番のチップイン、15番(パー5)の2オン2パットなど見せ場もあったが、当人にしてみれば、やりそこねた思いのラウンドではあった。
「8、9番を決めていれば、そのまま突っ走って、それこそ夢の50台なんてことがあったかもしれない。自分でブレーキを掛けてしまったのが悔しい」。
右ヒザに水が溜まり、それを抜きながらのゴルフが続いている。今週は、痛みを感じない。だから、思い切ったスウィングができるし、攻めの気持ちを前面に出していける。今シーズンのシニアツアー開幕戦だった4月のノジマチャンピオンカップ箱根シニアで通算8アンダーパーで並んだ井戸木鴻樹をプレーオフでくだしてツアー6勝目を挙げた。このときの感触が戻ってきていることを自覚しながらの第2ラウンドのプレーだった。それだけに、途中の取りこぼしが、悔やまれたのであろう。
「天候がどうなるかわからないけど、明日からも気分は50台の大爆発でいきます。(マークセンを)追い詰めていかないと、盛り上がらないでしょうから。取りこぼしは禁物です。いきますよ」
最後は、自分に言い聞かせるようなセリフで締め括った。
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