優勝したマークセンと、4打差の2位タイで終えた鈴木亨。「いや、この4打差は、やっぱり大きな4打差。単なる4ストロークの差だけではないものを感じています」と冷静に分析していた。
第3ラウンドを終えてマークセンが通算20アンダーパー。鈴木が通算12アンダーパー。8打差を追う最終ラウンドだった。鈴木のゲーム内容も決して悪くはない。「スタートの1番でバーディが獲れて、そのまま流れに乗れるかなと思った矢先に、2番で3メートルのバーディパットを外して、その後、なかなかチャンスをモノにできませんでした。今日のマークセンを見ていて、あー、マークセンも人の子なんだなと思っていたのですが、それでもつけ入る隙きが
ありませんでした。第1ラウンドから2位との差が、すごく離れていてそのまま勝ちにつなげるのは、ほんとに難しいんですよ。僕も日本プロ(2003年)で2日目を終えて2位と7打差つけてリードしていた経験がありますが、精神的にもゲームの組み立てもすごく難しかった記憶があります。今日は、雨(台風)のあとで、ホールロケーションもかなり難しいところに切ってありましたしね」。
後半に入って、12、14番とバーディ。「やっぱりメジャー(ナショナルオープン)は、楽しいですね。ラフも深いし、レギュラートーナメントに近いセッティングだったと思います。息子(キャディの貴之さん)とのコンビも、やっぱり頼りがいがありましたしね。(笑)いや父親が息子に頼ってばかりではいけないのかな?まあ、でも、練習ラウンドから今日まで8日間、ずっと息子と一緒に行動したのですが、いろいろ会話もできましたし、父子関係を過ごせたと思います」聞けば、貴之さんとのコンビで、ベスト5を外したことがないという。
「それにしても、マークセンは昨年よりも、よりレベルアップしていると思いました。なんていうのかな、例えば球の厚みが違います。ボールの高さが出て、なおかつ上空にいる滞空時間が長い。見ていても気持ちいい球筋なんですよ。単に、道具の進化だけでなく、それに技術力を加えることによるプラスアルファのゴルフなんですね。勉強になりました。ゴルフは、いろんな攻め方がありますけど、もっと僕も自分のプレースタイルを極めていきたいですね。マークセンを見てきて、これからでも、まだまだ僕もレベルアップができるんだと思いました」と、マークセンと自分のゴルフを分析することで、レベルアップのモチベーションを高めたようだった。
インタビューの終わり際に「今年も、あと2試合ぐらい息子に(キャディを)お願いしようかな。やっぱり頼りがいがあるし、息もピッタリだから(笑)」と、笑顔を見せた。父子の最強のコンビで是非、優勝を狙ってほしい。
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