初出場の昨年大会でカットに終わったリベンジを期す稲田愛篤は、1番ティーインググラウンドに向かう直前、監督から声をかけられた。「ビビらずに攻めろ」。短い言葉はしかし、稲田の心に確実に届いた。スタートホール。9番アイアンのセカンドショットを1メートルにつけてバーディ発進に、「気持ちよくスタートが切れました。そこで監督からいただいた言葉とおり、攻めに攻めよう」と気持ちを固めた。6番(パー3)では8番アイアンのティーショットがあわやホールインワンというスーパーショットでバーディ。9番(パー5)も計算通りスコアを伸ばす。
しかし、後半「10番からグリーンのスピードが少し早くなっているように感じて…」とチャンスにつけながらも、ものに出来ないもどかしい展開が続く。それでも腐らずに17番までスコアカード通りのプレーを続けた稲田。最終18番で45ヤードのセカンドショットをウェッジで1メートルにつけてバーディフィニッシュに導いたのも監督の一言が胸にあったからだろう。
「ショットの出来には、満足しています」と笑顔を見せる稲田だが、「もっとスコアを伸ばせたと思う。8アンダーパーぐらいは出せる内容だった」と、67の4アンダーパーに終わった1日には満足できない。「今年は、攻めに攻めたい」その先に、優勝という二文字があることを信じて、稲田は前だけを向く。
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