会場内に衝撃が走った。桂川有人が11アンダーパー「60」で回ったニュースは、たちどころに選手、大会関係者の知るところとなった。「60」はもちろん自己ベストスコアだ。前日のスコアは1アンダーパー70で、「昨日トップの選手や上位の選手がスコアを伸ばしていて、こんなにスコアが出るコースかな」とびっくりしていたという。
そこでこの日は「最低でも3つ、4つは伸ばしていかないといけない」と思ってスタートした。1番を幸先よくバーディを獲ると、2番(パー5)では2オンを逃したものの、左奥のカラーから7~8メートルをパターで打った第3打がカップインしてイーグルと好スタート。さらに、5、6、8、9番とバーディを奪い、前半は7アンダーパーの29をマークした。
後半は10番でまずバーディ、11番は第2打をグリーン右に外し、ピンが右端に切ってあり、寄せるのが難しいアプローチが残り、結局ボギー。続く12番をバーディとするも14番ではパーオンしたものの9メートルから3パットしてボギーと、必ずしも順調にスコアを伸ばせたわけではない。「パットが入ってくれた。グリーンセンターを狙って、パットが勝負」と思っていた。5~6メートルくらいのバーディパットを次々と沈めていき、15番から4連続バーディを奪った。最終18番のバーディパットは2メートルほどだったが、気が付けば「手が震えていた」。言い知れぬ緊張感に襲われたが、見事にこのパットも沈めた。
「今日はパットをイメージ通りに打てた。途中でいけるんじゃないか」と思ったという。1イーグル・11バーディ・2ボギーで25パットというゴルフの内容だった。試合前では「優勝スコアが2ケタに行くかな。1日3アンダーパーで4日間で12アンダーパー」というのが彼の目標設定だったが、早くも2日目でそのラインに到達した。「明日も伸ばさないといけないとは思いますが、冷静に自分のゴルフに」徹する。第3ラウンドを終わって優勝を争える位置にいることが大事だ。特にビッグスコアを出した翌日というのは、プロでもスコアを伸ばせないことが多い。彼にとっては要注意なラウンドになりそうだ。注目したい。
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