昨日の64を1ストローク更新する63の8アンダーパーをマークして単独首位に立った富本虎希。連日驚異的なスコアが続出する今大会の中で、3日間60台をマークし続けているが、自身は「スコアの伸ばし合いは苦手なんです」と苦笑いを見せた。そんな富本だが、ムービングデーにベストスコアを叩き出してみせる強さを感じさせる。
自己ベスト更新のホイッスルは、2番(パー5)。2打目をグリーン手前のバンカーに打ち込んだものの、1メートルに寄せてバーディ。これを皮切りに、4番で3メートル、7番で5メートルを決める。9番(パー5)からは4ホール連続でバーディを積み重ねた。16番(パー3)は、172ヤードのティーショットを8番アイアンでピンを刺してこの日、8つ目のバーディを奪取。林がせり出す飯能ゴルフクラブでこの3日間、果敢にドライバーを振り続ける富本の攻めのプレーと、好調なパッティングが好スコアを支えている。
「ドライバーは、昨日同様、調子いいですね」と屈託ない笑顔を見せる富本。それに加えて、パッティングも好調ならば、鬼に金棒だろう。今日のラウンドでは、「2番でバーディを先行できたことと、6番のパーセーブ」がポイントだったと振り返る。167ヤードのパー3はパーオンを逃したものの、3メートルをねじ込んでのパー。上位選手が台風20号の接近による風のジャッジに手こずりスコアを伸ばせない中、「自分は沖縄出身ですから。風の中のプレーは得意なんです」と話す富本を天候も敵ではなかった。
本来は、「難しい状況でもパーをセーブする我慢強いプレー」が自分のプレースタイルだというが、明日は、更に風も強まる予報もあり、まさに富本にうってつけの状況になりそう。「まずはドライバーでフェアウェイをしっかりキープして。チャンスにつけば、ものにできるように。優勝を考えず、オーバーパーを打たないように」と目論む富本。明日の最終ラウンド、富本にとって神風が吹き、思惑通りに優勝杯を手にすることができるか。
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