第1ラウンドを68の4アンダーパー、4位タイにつけたイ ナリはスタート前に、「(コースの全長)距離が長いので、攻めるよりはボギーをあんまり打たないようにという作戦」をたてた。結果的に、13番でのボギーひとつ。それ以上に、バーディが5つ(6、7、12、17、18番)という内容のゴルフだった。
「作戦通り上手くいったなと思います」と嬉しさを表した。ボギーを打たないゴルフは、言葉では簡単だけれど、戦いの中に入り込んでいると、そう簡単にはいかない。どうしても消極的になるからだ。攻撃は、最大の防御と言われるように、攻める、守るの機微、見極めも重要だからだ。丁寧に行こうというのは、恐る恐るではなく基
本に忠実に、あえて流れを壊さないで行くということなのかもしれない。
今季の彼女は、LPGAツアーが7試合出場して予選落ちが3回。アースモンダミンでの30位がベスト。そしてステップアップツアーが10試合。ルートインカップ 上田丸子グランヴィリオレディースとSkyレディースABC杯での2位がベストの成績である。だからこの大会で、どうしてもいい成績を残しておきたいという強い気持ちがあった。だから、散漫な、無茶なゴルフをしないで、ケアレスミスのボギーを叩かないと徹底した。
「今日は、特にパッティングがよかったです。微妙なパーパットも入って、バーディチャンスも外さずにとれたのが、うまくいった原因だと思います。もちろん、ミスもありましたけど、自分が理解できるミスだったので、すぐに気持ちを切り替えて、次へ行こうとい気持ちになれたのが、いい流れをつくってくれたと思います」というイ ナリのベストシーズンは、2014年だった。賞金ランキングも8位となり、年間平均ストロークも71.197で、今季、これまでの73.25とは2ストローク以上の違いがある。
「まだ(残り)3日間あるし、メジャー大会だから、どうなるか解らないけれど、今日みたいな最高のプレーが毎日続くように、状態をキープしながらやっていきたいです」と語った。
「今日は気持ち的には、90点以上あげたい」と言うイ ナリに、明日からもまた90点以上の輝きを期待したい。
|