丹萌乃は、切羽詰まった状況で、本選手権にやってきた。実は、今年のプロテストで1打足りずに不合格となった。4回目のテストだった。いま彼女は、ステップアップツアーの成績で這い上がろうとしている最中である。
「プロテストでは、パットが全然入らなくて、ラインは別としても、2〜3メートルをどれだけ真っ直ぐ打ち出せるかが大事だと思って、パターマット(練習)は、毎日やっています。今回も持ってきて(ホテルの)部屋でやってます。2メートルちょっとのマットなんですけど、お風呂から出たら寝る前にミラーをおいて30分ぐらいかな。プロテストのときには、それを持っていかなくて……それから持って行くようにしています」
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という努力もしている。
第1ラウンドで69。そして今日が68。畑岡奈紗らと並んで首位と2打差の2位タイで折り返すことになった。
「(同週開催の)ステップ(アップツアー)の成績も気になるんですよ。ですから今日も帰ってから成績を見ます」と、来季の出場権をかけての綱渡りをしている。8月下旬の山陰合同銀行 Duoカードレディースで優勝し、賞金ランキングで現在4位。「あと2勝して1位になりたい」と意欲満々だ。「あれ(優勝)から、ショットもパットもいい感じでこれていて、先週も1打差で負けたけれど、いいイメージのまま(この大会に)これています」とゴルフは好調である。
6番で1メートル。7番で3メートル。9番で6メートル。そして15番で4メートルを入れてのバーディ。ボギーなしのラウンドは、素晴らしかった。パターマットの練習の成果がでているのだろう。
「(優勝への手応えは?)今日よりも、もっと伸ばさないと優勝は出来ないと思います。最低60台は必要で、スコアをあと10ストロークは伸ばす選手もいると思うので、そのつもりで頑張ります」と語った。もちろん天気次第ということもあるけれど、ゴルフの内調がいいだけに、意欲満々である。
残り36ホールの優勝争い。丹にとっては、人生が大きく変わる。「そうですね。まず優勝したら単年度(出場権)ではなくなるので、それは頭に入っています。明日は、緊張するでしょうけれど、まずこれからドライバーを修正することと、パッティングはいい感じなので、そのままいけたらなと思います。楽しみですよ」。
優勝争いは、ステップアップツアーで経験している。でもスケール感が違う。「でもゴルフやっていて、カットギリギリのところで、通るか通らないかのゴルフは、全然楽しくないけれど、やることは同じでも、(ステップでの優勝争いは)気分が全然違いました。ですから、上位(の優勝争いの中)にいたほうが、やる気もでていると思います。日本女子オープンは海外の選手も来ている。自分がどこまで行けるか試せる場所なので、楽しみです」と、切羽詰まった状況のほうが底力が出るタイプなのだろう。
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