スコアカードの提出を終わると、川岸良兼は、開口一番「早く練習場に行きたい!練習しなければ」と言い放った。前半、3、5番とバーディをとり2アンダーパーで折り返した川岸は、11番でもバーディとし3アンダーパーと快調なペースだった。ところが続く12番(476ヤード・パー4)で、なんとトリプルボギーの7を叩いてしまったのである。「残り140ヤードちょっとしかなかったんですよ。右の池が気になって、左のバンカーでいいと思っていたら、その池にはまっちゃって、そこから泥沼のトリプルでした」と項を垂れた。
「でも、次のホール(13番・パー3)で、いいご褒美(バーディ)を頂けたので気持ちを引きずらずにできました
。はい、10メートル以上あったのかなぁ。フック、スライスのラインでした」と言う。続く14番でバーディチャンスを逃した。そして15番(561ヤード・パー5)で会心のティーショットを放った。同組の谷口徹が「やっぱりシニアになっても怪物は怪物でした」と言わしめるショットだった。そこからフェアウェイウッドで2オンを狙ったショットが右の深いラフ。
「(第2打は)ライも良かったんです。左サイドにOBがあるということで、スライスの球筋で攻めていこうと思ったんですが、それが右に抜けて右の深いラフ。すっぽりと深く沈んでいて、きっと出ないだろうなと思って打ったんですよ。もうパワーだけで打ったって感じでした」ややオーバーして結局パーであがったものの悔いが残った。
17番(パー3)でボギーを叩いて、34・37の71。イーブンパーでホールアウトした。
「ちょっと悔いが残るラウンドでした」と川岸は言った。その悔いは「小細工しすぎた」ということだった。小細工しすぎた結果、トリプルボギーやバーディチャンスがあるところを苦労してのパーに変わってしまったことだった。
谷口徹と同組で、シニアルーキーの谷口のプレーぶりを聞いてみると「やっぱりうまいよね。大事なところで失敗しないもの。つまりそういうときの集中力は大したものだと思う」と語っていた。お互いに刺激しあってのプレー。もう少し伸ばせたのに、という気持ちが、プレー後の練習場に気持ちを走らせた。
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