前半の川岸良兼。ティーショットは曲がり倒していた。「もう30年以上ゴルフをやっているのに、ここまで曲がるかって感じ。ラフや林ばっかりだもんね。でも、そういうゴルフに慣れちゃったし、さんざトラブルショットをやってきたから、そこからフックボールを打ったり、高い弾道のショットにしたり、技の引き出しの多いこと。我ながら、上手いもんでした。ガハハ…。パッティングも上手かったし、アクロバティックで奇跡的なゴルフ、奇跡的なパープレーだったですね。若い頃は、こんなゴルフをしたら胸が痛くなっていたけど、今は、これもゴルフって楽しんでいますよ。ガハハ…」
笑い倒す川岸がいた。最終ラウンドは、最終組でのマーク
センとの対決となる。「まあ、僕のティーショット次第でしょう。マークセンは、ティーショットがうまいし、いや、全部上手いか。それじゃあ、勝負にならない…なんてこと考えず、気持ちよく振り切れるように、ちょっと調整しておきますよ。ラフに打ち込んだら? “あそこから、そんなショットができるのか”って、驚かせてやります。ガハハ…」
怪物といわれた川岸。長いスランプを乗り越えて、いま、最高にゴルフを楽しんでいる。
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