「攻めないと勝てない」という気持ちが、この日の寺西明には色濃くあったのだろう。第3ラウンドを終えて、首位のマークセンと寺西とは、3打差。マークセンのゴルフの内容を考えれば、大きく崩れることはない。だから少しでも速く追いついてマークセンに揺さぶりをかけるしかない、という思いが強かったはずだ。
「今日は、出だしから行きましたけどね」というコメントは、そのことだった。雨風が強い中、1番、5番でバーディと予定通りにゲームを運んだ。ところが、7番でボギー。そして9番では、ダブルボギーを叩いてしまった。「9番は、風で読めなかったですね。左からのアゲインストだったと思います。私の持ち珠はフェードなんです。
ちょっと大きめのクラブに持ち替えたんです。いつもなら7番アイアンですが、6番アイアンにして打ったら、風に乗っちゃってのダブルボギーですわ。でも、惜しいというか、流れをおかしくしちゃったのは、7番のボギーですね。第2打は左ラフからのショット。それをグリーン手前まで運んで、そこから寄せて1メートルぐらいでしたかね。それを外してのボギーだったんです」と言った。
後半は、ずっとパープレーが続いた。そして迎えた17番で、再びボギーを叩いた。結局、通算1オーバーパーで3位タイに終わった。
「でも、シニアのメジャーで、これだけ戦えたことは素直に嬉しいですよ。楽しかったです。やはり、こういうセッティングでの戦いは、これから成長する上で、何が足りないか、どうしたらいいのかを教えられるものでもありますからね。マークセンは、最初から勝ちに来ていますよね。ですから、コースだけ見てプレーしていると思うんです。誰が、どうでてこようとコースと自分だけの戦いに最初から入ることが出来ている。確固たる自信も、もちろん持っているんでしょうね」と語る寺西の伸びしろは、まだまだたっぷりある。
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