岡山絵里がこのコースでプレーするのは「高校生のときの全国高等学校ゴルフ選手権夏季大会以来です。あの時は、そんなにいいスコアではありませんでした」。では、あまり良い思い出ではないのか。「いえ、成績は別にして、懐かしいな…と思いながらラウンドしました」。
穏やかな気持ちだったという。ショットが冴えた。奪ったバーディは、12番からの5連続を含む8個。ほとんど「1ピン(約2.5メートル)前後で、長いバーディパットは1ホールもありませんでした」。ピンにからむようなショットを打ち続け、チャンスは一度も逃さなかった。
今シーズンの岡山は、予選落ちはないが、「すごくいい成績を出してもいない。そこそ
こというレベルのゴルフがずっと続いていました」と、ここまでの自身のゴルフの流れを、そう評していた。ショットは安定しているが、パットを決め切れていない。そう分析してもいた。そのパッティングが上向きになったのには、二つの理由があった。
ひとつは、ゴルフ5レディースでLPGAの小林浩美会長とラウンドした際にもらったアドバイス。「ストロークが小さかったのを、大きく、ゆっくりとした方がいい、と言われました。そのためには、肩をタテに動かすのではなく、横にターンさせるといい、ともおっしゃっていただけました」。
これで、ストロークが安定するようになった。そして、3週間前に、大型ヘッドのネオマレット・タイプのものに替えたことが、二つ目の理由。「大きく、ゆっくりストロークするのと、新しいパターのヘッドの動きがぴったりとマッチして、方向性もタッチも合うようになりました」
その集大成となったのが、第1ラウンドのゴルフというわけだ。「特別なことが起きたわけではなく、普通に(ショットが)寄って、普通に(パットが)入った。満点です!」
昨年大会は5位タイ。今回は「それ以上の成績を」と臨んだ日本女子オープンで、満点のスタートを切った岡山は、自他ともに認めるショットメーカーである。そこに「あまり外す気がしない」というパッティングが加われば、鬼に金棒となる。満点のゴルフが続けば、優勝ラインのスコアとされていた通算20アンダーパーも大幅に更新してしまうのではないだろうか。
|