今年の日本ジュニア(15~17歳の部)チャンピオンである梶谷翼が、もうひとつ大きな栄誉を掴もうとしている。通算5アンダーパーでスタートした日本女子オープンの第3ラウンドで5バーディ・2ボギーの69をマークして通算8アンダーパーにまでスコアを伸ばした。アマチュアの2位グループは安田祐香、古江彩佳と今年の日本女子アマチャンピオンの西郷真央の3選手で通算イーブンパーだから、実に8打差をつけての独走態勢である。
3日間で一番風が強かったこの日。3番(パー3)でティーショットがその風に流されてボギーを先行させたとき、梶谷は、こう思ったそうだ。「今日は、大変なゴルフになりそう…」。実際には、そうなら
なかった。その後、5番のバーディで前半をイーブンパーに戻して終えると、バックナインは11番の6メートルをはじめ、ちょっと距離のあるパットが思いのほか決まって4バーディを奪取できた(1ボギー)。18番(パー5)では3メートルに2オンしてイーグルパットをはずしてのバーディだった。
本選手権に臨んでは、ローアマチュアを目標にしてきたが、実は、それほど調子は良くなかったという。「日本ジュニアの後は、徐々に下降線になって、国体もダメでしたし、その流れのまま女子オープンを迎えてしまいました」それでいて、このスコアを打ち出している理由は、どこにあるのだろう。
「自分でもわからないのですが、自分のゴルフができているからじゃないのかな…とは思います」
自分のゴルフって、どういうゴルフなのか?
「普通は、自分のゴルフといえば、確立されたプレーのことをいいますよね。私の場合は得意といえるクラブもショットもありません。苦手はありますけど…。パターです。その日になってみなければ、自分の調子がどうなのか、わからないところがあります。で、スタート前にチェックして、修正できなくても、調子なりの組み立てとコースマネジメントを考えてホールをこなしていく。それが、自分のゴルフです。好調なときなんて、それほどはないですから」
悪ければ、悪いなりに、どうにかしていける。これも実力のうちであろう。滝川第二高校の1年生。岡山県出身で、中学生時代から同郷の渋野日向子に可愛がられている。コーチも渋野の紹介で青木翔ティーチングプロに教えてもらっている。
「日向子さんとは、練習ラウンドのときに会って、ちょっと話せました。昼食も一緒にとらせてもらいました。あれっ、でもゴルフの話は、何もなかったですね」。同郷の先輩、後輩。最終ラウンドに同組とはならなかったが、大会の結果がでた後での会話は盛り上がりそうだ。
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