大会前の練習ラウンドで、主力選手たちは、優勝想定スコアを通算20アンダーパーと予測していた。その予測スコア通り、1日5アンダーパーの67を3日間出し続けているのが、畑岡奈紗である。毎日、コースコンディションも風も湿度も変わっているにも拘らず、ともかく通算20アンダーパーに向かってまっしぐらという攻めの強い意志を、畑岡のプレーぶりに感じた。
地元の天気では、風速5.7メートルとある。それは平均値なので、ホールごとに変化する中で、盤石なプレーぶりだった。前日は、フェアウェイキープ率が100パーセント。14ホール中14ホール、捉えていた。そして今日は「外したのは、2回だけですね。10番と13番
。セミラフでした」と本人がいうように、ティーショットは申し分ない。
1番(パー5)で、いきなりバーディ。3番(パー3)でボギー。4番(パ−4)でバーディ。5番(パー4)でボギー。6番(パー5)でバーディ。この4ホールは出入りの激しいものだった。「例えば、4番のときのように、ラインがはっきりしているときは、しっかり打てるんですけど、微妙なラインは、ちょっと不安感が残りますね」スピードは、前日とほとんど変わらないという。ただ「少し柔らかく感じました。あと、スパイクマークがかなり多かったですね」という。畑岡は「自分のゴルフの持ち味は、ショットですから」と言って、ショットを駆使してどう組み立ててゲームの流れを良くしていくかだという。
圧巻だったのは、14番(509ヤード・パー5)。ドライバーでフェアウェイをしっかりと捉えて、残り241ヤード。3番ウッドで、4メートルにつけた。それを入れて、イーグル。まさにショット力のシーンだった。18番(500ヤード・パー5)も、3番ウッド、3番ウッドとつないで左手前から10メートルを2パットでバーディを奪った。これぞ畑岡奈紗のゴルフだ。最終ラウンドも、きっと彼女のゴルフを見せてくれるに違いない。
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