「悔しいです。もっと奈紗ちゃんと渡り合えると思っていたのですが、昨日までのようなショットが打てませんでした。メンタルではなく、フィジカルの問題で、体力不足です。4日間、それも最後まで優勝争いを続けられるだけのスタミナがないことを実感させられました。最後まで自分のペースで強いショットを打ち続けていた奈紗ちゃんとの差でした。思い通りに動いてくれない自分の体がうらめしく、悔しさばかりが残る結果になってしまいました」。
これだけのコメントをすらすらと口にしたわけではない。何度もこみあげてくる涙をこらえ、声を詰まらせながらのインタビューであった。大きな転機になったのは、11番からの数ホールだった。
11番では、先に大里が10メートル以上はあろうかという大きくフックするラインを読み切ってカップインさせ、バウンスバックした。この時点では、一瞬、通算14アンダーパーとなって、畑岡に1打差と詰め寄った。その畑岡は6メートルほどのバーディパットを入れ替えしてきた。これで、スタート時の通算15アンダーパーより1打スコアを伸ばす16アンダーパー。これを機に畑岡は立ち直り、大里は連続ボギーへと後退していく。
アイアンショットもドライバーショットも不安定になっていた。救いは、18番(パー5)で連日の2オンを果たしてのバーディを奪って2位タイに食い込んだこと。これで年間獲得賞金は2746万円余となり、36位にジャンプアップした。シード当確圏内に入ったことで、残りスケジュールの戦いにも余裕を持って臨めるだろう。悔しさを晴らす機会は、まだまだある。
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