2019年度(第84回)日本オープンゴルフ選手権が明日17日、福岡県古賀市の古賀ゴルフ・クラブで開幕する。開幕前日の16日の指定練習日には、日本一の座をかけた戦いを前に、出場選手が最後の調整に勤しんだ。
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昨年大会優勝の稲森佑貴の今シーズンは、苦しみの中でのプレーが続いている。持ち前のティーショットは、フェアウェイキープ率69.90と2位の貞方章男に約6%の差をつけてトップに立っているが、ここまでトップ10フィニッシュはなく、賞金ランキングは48位。「シンプルにゴルフに自信がなかった。自分としてはしっかり打てているつもりが、逆球が出たり。原因がわからないまま、日本オープンまで来てしまった」と、苦悩の裡を語るが、「それが逆に良かったかも。タフなセッティングの日本オープンであれば、みんな苦しむかと思いますし、自分も決してゴルフが出来ないぐらい不調というわけではないので。今年は、良い日と悪い日の波が激しいというだけだと思う」と、難攻不落の古賀ゴルフ・クラブでの開催は歓迎している。大会連覇に向けて「プレッシャーはもちろんあるのはあります。でも、あまり固くなりすぎないように」と、自然体で望むつもり。「古賀ゴルフ・クラブは、ラフも深くて沈みやすいというのが多い。バンカーでもOKという感じでティーショットはせめて行って。グリーンもうねっているので、ラインの読みもホールロケーションによっては難しいラインになる。まずはティーショットをフェアウェイに置いて、グリーンはホールロケーションに固執せず、センターでも良いぐらいで、あとはパッティングで頑張るという感じ。チャンスについたら、しっかりとバーディを狙いたい」と、マネージメントのイメージは固めている。ショットの安定性を武器に、大会連覇に厳しい戦いに臨む覚悟だ。
2年連続5度目の日本オープン出場となるアダム・スコットは、「今までは、シーズン終了後に日本オープンに出場してきたが、今年はスケジュールの変更もあって、今までよりも準備が整った状態で臨める」と、初優勝に自信を覗かせる。古賀ゴルフ・クラブの印象を問われると、「美しいコース。ナショナルオープンらしくラフが長くて、特にグリーンに傾斜があって難しいのでパーオンさせることにチャレンジすることになる。昨日はドライバーを使ったのは1ホールだけ。今週はほとんどドライバーを使わず、アイアンでしっかりフェアウェイキープすることが大切になる」と、コース攻略に明確なイメージを持っているようだ。過去4度の日本オープンでは、アダム本人も不満が残る結果に終わっているだけに、臨戦態勢で迎えた本年大会で、これまでの鬱憤を晴らしたいところだろう。柔和な笑顔に時折見せる勝負師の目線がその思いを表している。
古賀ゴルフ・クラブで2度目の日本オープン開催となった2008年大会。プロ入り2年目の石川遼は、ティーショットで果敢にドライバーを振り抜き、片山晋呉と優勝争いを演じ、4打差ながら2位入賞を果たしている。石川の魅力と武器を存分に発揮しての2位入賞から11年。USツアー挑戦と挫折、不振を経験して日本プロでプレーオフを制し復活を遂げた今シーズン。順風満帆とは言い難い月日を過ごした末に、再び、この地に戻ってきた。「メジャー大会への思いは、勝ってから分かってくるものだと思う。重みとか、そういうのがあとからついてくる。僕は日本オープンに勝ったことがないし、日本プロともまた違う感覚だろうと思う。正直、初めの頃は何が何だか分からない感じでした。勝てるチャンスは何度かありましたけれど…何もわからないうちに勝ちたかったな、でも、それで勝ってもな…という思いも。日本プロが自分に与えてくれた自信というか歴史の重みも感じたし、是非、日本オープンに勝ってそういう思いを感じられるようになりたい」と、日本オープンへの思いを語る。古賀ゴルフ・クラブは「ここまできれいに仕上げてくれたコースの方に感謝したい。コースが持つ難しさが存分に活かされたセッティングだと思う。6,800ヤードという距離で、これだけ難しいコースは日本にはないと思うし、これから先もこういうセッティングでプレーすることは、そうないのかなっていうくらいに日本国内ではすごくタフなセッティングだと思う」と、感嘆の声を上げた。「目標のバーディ数は、1日5個。でも、良いゴルフをこのコースでしたいなという思いのほうが強い。数字はそんなに考えず、とにかく自分の良いゴルフが何ホール出来るかだと思う」と落ち着いて語る石川。日本プロに続いての同年メジャー優勝に向けて、泰然自若でコースと向き合っていく。
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