池田勇太は、このコースでの戦いは「4日間で8ラウンドぐらいの気持ち」だと言った。それだけ神経を擦り減らし、集中力を要するタフなセッティングだということだ。「特に、グリーン上での神経の使い方は、相当ですね。全部気を使わないといけないけど、特にグリーン上はね。下りの1メートルより、上りの3メートルのほうがいいと思いますし、セカンドショット以降の気の使い方は相当です」と言った。
例えば、5番(533ヤード・パー5)。池田は、バーディチャンスでもあった。でも「あれは、普通に打ったらグリーンを出ちゃうでしょう。頂点に(ボールが)止まっている感じだったので、さて、どう打とうかと考えてしまったんです。下り
傾斜でスライスしてからフックして、さらにホールの手前から下りがきつくなる感じで、バントしかないから(笑)。打ち出しの30センチが、どのラインに乗るか大事じゃないですか?そこがピッチマークとか荒れていたらボールが蹴られるような感じで、右に押されてしまって。まあ、しゃーない、という感じですね」と言う。さらに、2番(212ヤード・パー3)では、右7メートルにつけてバーディを奪った。でも「フックしてスライスして、上って下ってというライン。僕のキャディが、思わず、これってスネークラインじゃなく、うなぎラインですねって言っていましたよ(笑)。絶対に入らないと思っていたら、入っちゃった。これはラッキーでした」と言った。
10番からスタートし、12番でボギーのあと、16、18番をバーディとして折り返した後半。2,3番でバーディとしたが、6番(148ヤード・パー3)で痛恨のダブルボギーを叩いた。「2ヤード先に行けば平らだったんですけどね。そういうちょっとした部分で変わってしまう。特にミスは、2打目と3打目。2打目は、ボールが(ラフの中で)浮いていて、ツルッと(達磨落とし風に)いくから気をつけていたんだけどね。3打目は、浮いたんだけど逆にズボッと入ってしまってね。なので4打目は、うまく打てたなと思う。2メートルほどのダブルボギーパットを、(集中が)切れないでよく入れられたなと。それが大きかったですね」。
池田のインタビューを聞いていると、確かに難しいセッティング、難しいホールロケーションやグリーンの状態だったと言いながら、それをきちんと凌いできたという自信を感じる。すでに日本オープンは、2度優勝している。そういう経験値が、池田のプレーを後押ししているのだろう。「だいぶ体も完成に近づいているし、なんとか試合をやりながら良くなればいいと思います。この大会に向けて、それなりに準備してこられたし、いいゴルフはできていると思う」と、優勝経験者は、虎視眈々と3度目の優勝を狙っている。
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