「いやー、悔しい!」と、記者たちの囲み取材の第一声を放ったのは、星野陸也だった。悔しいと唸った場面は、18番ホール(419ヤード・パー4)でのボギーである。残り127ヤード。52度のウェッジで放ったショットは、かすかにそれてグリーン右ラフに落ちた。そこから寄らずに6メートルのパーパットを外してのボギーである。星野は、そのときちょっとした集中力の欠如を反省していた。「もうあたりが暗くなっていた、日没間際。あー、サスペンデッドもあるかなぁ」と頭に過ぎった。そのほんのちょっとした隙を、ゴルフの神様は許してくれなかった。「15、17番のボギーは、まだ許せますけどねぇ」とため息をついた。
星野は、
前半の3番〜6番までを4連続バーディとした。誰もがスコアメイクに苦しんでいる中での4連続バーディは、出色だった。「前半は、風もなく、マネージメントもよくできていて、それにパッティングも入ってくれました」と、早々と4アンダーパーとして、後半に入り、すぐさま10番でもバーディ。5アンダーパーで首位に立った。3番(522ヤード・パー5)は、第2打を5番アイアンで、グリーン右奥のエッジ。イーグルもあるかなと思ったという。2パットのバーディ。4番(399ヤード・パー4)は、3番アイアンで刻んで、残り154ヤードを9番アイアンで3メートルのバーディ。5番(533ヤード・パー5)は、3番ウッドでフェアウェイに置き、第2打は、グリーン手前エッジのギリギリに落ちた。「今日のラッキーは、このホールですね。そのままバンカーに落ちてしまいそうな情況で、落ちずにラフでとどまってくれて3メートルに寄せてのバーディ。これが大きかったです」と振り返った。
後半の途中までは、マネージメント通りのゴルフができていたが、途中からドライバーショットが乱れ始めた。それが15、17番のボギーに繋がったという。
「このところ、実は、ずっと調子が悪かったんです。なんでだろうと分析して、まず、ボールを黒から赤に変えてみようと思ったんです。ずっと赤を使っていて、打感も好きで、でも、黒もいいからって使ってみたんですけど、打感重視に変えたこと。もうひとつは、やっぱり筋力が低下していたんですね。トレーニングは、それなりにこなしていたのですけど、自分が思った以上に筋力低下していたんです。それも、調子が悪かった原因ですね」筋力復元をし、どうしても獲りたい日本オープンに臨んだという。「やっぱり、日本のメジャーですからね。これに勝てば、また違う景色が見えるかも知れない」と言った。
終盤の3つのボギーで通算2アンダーパー。首位のB・ジョーンズとは、1打差で第2ラウンドへ向かう。「自分の中では、3アンダーパーか4アンダーパーで抑えたかったんですけどね。そのときに予想は、トップが5アンダーパーで、という設定でしたから、まずまずの滑り出しだと思います」と想定内で、第2ラウンドへ進めるという気持ちを含めていた。
「でもね。このコースは、奥が深いなと思いました。(練習ラウンドでは見えなかった景色が)行ってみて、初めて気がつくということがありましたからね」という古賀ゴルフ・クラブのコースを、72ホール、どうマネージメントできるかが楽しみである。
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