「ショットが良くなかったな、というのが、この2日間ですか…ね」
通算8オーバーパーとなった石川遼は、そういって今大会を振り返った。まるでカットを覚悟したかのような口調だった。10番からのスタートで、12番でバーディの後は14番から3連続ボギー。さらに17番(パー3)ではダブルボギー、そして18番もボギーで、前半は5オーバーパーの40というスコアになってしまった。
「昨日もそうだったけど、ドライバーショットが乱れてしまって、ゴルフを組み立てる以前の内容になってしまった」という。「良いショットもあるのですが、それ以上に悪いショットが出る。感覚的には、足が止まってしまうという悪い動きがあると
、腕に頼った振りになって、クラブヘッドが走りすぎてしまう。はい、左に飛び出してしまうんです。わかってはいるんですけど、修正しきれない。もしかすると、わかっていないのか、わかりきれていないのか…。わかりません」前半を終えて通算10オーバーパー。心が折れてもおかしくない崩れ方ではあった。「でも…」と石川は続けた。「このまま終わるわけにはいかない。予選通過を目指して、精一杯の抵抗しよう。ドライバーショットが、スウィングが、こういう状況に中でどうなるのかを確かめる意味でも、精一杯頑張らなければならない」と自分に言い聞かせて臨んだバックナイン。3、5番とふたつのパー5をバーディにして、あと一つとれば、カットラインをクリアするかもしれないところまで挽回した。
最終9番ホール。必死の思いで目いっぱいのフルスウィング。ボールはグリーン手前50ヤードほどのエリアにまで飛んだ。「会心の1打です。必死の思いが、自分にああいうスウィングをさせたのか、無心にフルスウィングしたのがよかったのか。そこのところは、まだわかりませんけど、ああいう狙った通りのショットも打てたりするから、わからなくなってしまうんです。来週も不安を抱えたままの試合になるかと思うと、気が重くなります」。
日本プロゴルフ選手権からの2大会連続優勝で完全復活かと思われた石川だったが、ふたたび迷路に足を踏み入れてしまったのだろうか。
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