秋の日没は、スピードが速い。17時15分。西の空にもうすぐ太陽が隠れようとしてから、わずか20分も経たないうちに、沈みこんでしまう。ちょうど、最終組の塩見好輝と今平周吾が、10番を終えた時点でにサスペンデッドを報せるホーンが鳴り響いた。そこから一気に、選手たちがクラブハウスに向けて、なだれ込んできた。慌ただしい風景だった。
比嘉一貴は、ちょうど11番(パー4)の第2打の段階でサスペンデッドになった。「まだ途中なので、なんともいえないですよ。これから先は、体力勝負でもあると思うんです。なにせ、今日は、10時間ぐらいコースにいましたからね」と早口で喋った。比嘉は、第2ラウンドの残り、6番(パ
ー3)から第2ラウンドの競技を再開した。前日に終了した5番までに、2バーディ・2ボギーのイーブンパーから、残り13ホールを消化して、第3ラウンドに挑むことになっていた。早朝に再開した第2ラウンドでは、2バーディ・3ボギーと一つ落とした。通算イーブンパーからの第3ラウンドが始まった。
1番(パー4)で、バーディ。3番(パー5)でバーディ。そして9番(パー4)でボギー。1アンダーパーで折り返した。選手側から見れば、戦闘態勢に入っている途中でのサスペンデッド。クラブハウスに戻ってきても、そのテンションは下がっていない。クールダウンしていないのだ。
「きょうは、いっぱいいっぱいでしたね。みんな苦労しているのですが、ともかく4ラウンドでアンダーパーが目標なので……。僕は、暗くなるとかなり見えにくくなるんですよ。だから、後半はちょっと辛かったですね。第3ラウンドは、まだ終わっていないので、なんとも言えないですけど(今日だけの印象では)もうちょっとできたのではないかな、と思います。少しマネージメントが悪かったと思います。つまり、行ってはいけないところに行ってしまったり、グリーンを外したときの処理も問題ありましたしね」。
まるでボックサーの戦いの途中で、話を聞いているような雰囲気があった。「大事なのは、終わったあとの結果なので、いまはそこまで気にしていないですし、なんとも言えません」というコメントが、比嘉の本音だったと思う。
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