グリーン上で打つのは、ほとんどバーディパット。今平のゴルフは、相変わらず安定していた。そのバーディパットを決め切れないシーンも少なからずあったが、顔色を変えることはなかった。「このコースでは、とにかくパーをキープし続けることが大切で、波の無いスコアが優勝にもつながっていくと思っています。そういう意味では、ピンチらしいピンチがないというゴルフは、自分にとっての理想形です。安定したゴルフができているという実感があります」。
唯一ムッとした表情になったのが距離の長い8番(パー4)だった。ピンまで190ヤードというフェアウェイからの第2打が、わずかにグリーンをこぼれた。ボールは短く刈り込まれたエ
リアから、わずかにラフに入ったところに止まった。ピンまでは10ヤードほど。今平は躊躇せずロブショットでの寄せを狙い、絶妙のコントロールで1メートルほどにボールをポトリと落として見せた。ところが、妙技のあとに、取りこぼしがあった。パーパットをはずしたのだ。
悔しそうに唇を真一文字に結んで向かった続く9番ホール。ここでは、ピン左5メートルに2オンさせた後、この下りのフックラインを読み切ってボールをホールに落とし込んで見せた。これで第3ラウンドは1アンダーパーとして10番ホールを終えたところでサスペンデッドとなった。
第4日は、第3ラウンドの残りホールを消化した後、最終ラウンドということになる。「とにかく、最終ラウンドの前半9ホールまでは、いい位置をキープして、バックナインが勝負になると思います」今平の長い1日になる第4日への戦略は、すでに頭の中で整っているようだ。
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