2019年度(第84回)日本オープンゴルフ選手権競技
競技会トップ コース紹介 歴史・過去の大会 オープンへの道のり ギャラリー 協賛・役員 JGA HOME
sponsors
競技会トップ
フルリーダーボード
ホールバイホール
ホールサマリー
ホールロケーション
組合せ・スタート時刻
気象状況
競技報告
出場選手
競技概要
観戦案内
TV放映
フォトギャラリー
大会のみどころ
主な記録
本選競技日程
JGA HOME
NHKで全国生中継予定
toto
Facebook
Championship Reports
競技報告
【塩見は「なにかの罠にハマってしまった感じ」と終盤を悔やむ】
第4日 競技報告:三田村昌鳳    写真:Yoshitaka Watanabe
「なにかの罠にはまってしまった、という感じです」と、塩見好輝は、ポソリと言った。一体、誰がこの結末を想像していただろうか。塩見本人にしても、サスペンデッドで第2、第3ラウンドをまたいだ3日目の夜は、プレッシャーを感じる余裕のないほど疲れ切って爆睡したという。日曜日の朝に第3ラウンドの残りホールを消化して、いよいよ第4ラウンドが始まった。サスペンデッドの影響で、第3ラウンドと同じ組み合わせでスタートした。

首位を走る塩見は、通算3アンダーパーで最終組の11時12分スタートだった。2位グループとの差は、4ストローク。塩見が、一歩も2歩もリードしてスタートした。簡単にボギーは叩いてしまうコース
だけれど、簡単にバーディは、獲れない。急迫してくる展開よりも、ジワジワと自分のゴルフが崩れてしまうケース以外は、逆転は難しいと誰もが予測していた。
塩見は、出だし1番(パー4)で、ボギー。4番(パー4)では3パットのボギー。それでも、6番(パー3)で下って上る5メートルの距離を沈めてバーディ。さらに7番(パー4)でも、1メートルを沈めてのバーディで、通算3アンダーパーに戻していた。圧巻だったのは、8、9、10番と素晴らしいパーセービングパットを決めていたことだ。「前半は、悪くなかったんです。ティーショットは少し乱れていましたけど、それは今週の間ずっとでしたし、ナイスパーもとれていましたからね」と塩見は言う。
優勝争いのプレッシャーも感じない。誰もが苦しむ難しいラインを、自信を持ってストロークして奪ったパーセーブを見ていたときは、このまま後半も走り過ぎていくのだろうと思った。

少なくとも、13番(パー3)で、3メートルを沈めてバーディを奪って通算4アンダーパーにしたときは、ほぼ勝負の行方が見えた気がした。そこからが、ゴルフの恐ろしさである。14番(パー4)で、まさかのダブルボギー。第1打。右の林のベアグランド。2打でフェアウェイに出して、残り155ヤードのショットを左に引っ掛けた。ベアグラウンドからのアプローチを2メートルにつけて、4オン。それを2パットしてのダブルボギーだった。「いや、このダブルボギーは、まだ大丈夫だったんですよ。問題は、そのあとですね」と塩見は、言った。

15番(パー4)。ここで目を覆うようなトリプルボギーを叩いてしまったのだ。第1打はフェアウェイ。しかし、次の第2打をミスして、グリーン右サイドのバンカーにボールが落ちた。やや左足下がり、この日のホールロケーションは、そのバンカー沿いの右エッジから5ヤード。それをミスして、バンカーのアゴの上の深めのラフ。そこから数十センチ前へ出ただけ。そこからパターを使って打ち、カップを通り過ぎて1メートルもオーバー。それを外して、結局、トリプルボギーとしてしまった。「ちょっと欲が出たんですね。バーディを獲りに行こうと思って、ピンまで100ヤードだったんですけど、サンドウェッジを握って、凄いフォローだったので、これなら丁度いいなと思って、そしたらグリーンをキャッチしてからバンカーに入っちゃいました」その欲が、ゴルフの魔物を呼び起こしてしまったのだろうか。

「普通に、誰でもパーが獲れるようなところからトリプルなので、それはちょっとダメですね」と塩見が語った。塩見の言う「何かの罠」とは、それまで辛抱つよく耐えて、堪えて冷静にプレーしていたのに、一瞬の欲が、罠にハマる引き金だったのかも知れない。塩見の敗因を凝縮する1打をあげるならば、この100ヤードからのサンドウェッジの1打だと思う。
「こういうコースだからなのか、ほとんどは、バーディ合戦のコースで戦っているので、こういう経験は、これからもあまりできないと思うけれど……。こういうコースだからなのか、僕の技術が足りないのか、精神面なのか」と呟いた。

塩見は、17番でもトリプルボギー。18番もボギーとし、通算5オーバーパーで、10位タイでゲームの幕を閉じた。

その他の記事はこちら
戻る