通算18オーバーパーの55位タイでローアマチュアを分け合った二人は、大学時代から競い合った仲だ。水上晃男は桃山学院大学、金子は日本大学と、学校は別だが、同学年で、「日本学生選手権や朝日杯で一緒に回りました」と金子。第3ラウンドを終えた段階で両者の差は1打。水上が僅差のリードを保っていた。
最終ラウンドの対決は、ともに大きくスコアを崩す展開になってしまった。「このタフなコースで4日間プレーするには、体力がたりませんでした」と金子がいえば、水上は「こんな大叩きして、ローアマチュアなんてもらっていいのかな…って気分でした」。
最終ホールを水上が1打リードして迎えた。「前の組の金子のプレーは、
見えていました。パーでホールアウトしそうな流れで最終ホールをプレーしていました。自分もパーなら勝てると考はえたのですが、今日のゴルフは、計算通りにならないことばかりで、最終ホールも計算外のことが起こりました。ティーショットは左の木の下で、2打目は出すだけ。で、ボギーなら並びだな…と、気持ちをそちらに集中させて、なんとかローアマチュアを分けることができました。それにしても、こんなに叩いたのに、ローアマチュアをもらっていいのでしょうか?」。
最終ラウンド、水上は81で金子が80。水上は「振り返りたくないですけど、ひどい内容でした。9番で林の中に打ち込んで、2打目を強引に狙ったら木に当たってバンカーに入り、これが目玉でダブルボギー。13番も曲げて、14番は1メートルをはずし、15番はまた林に入れて、もう滅茶苦茶でした」。しかし、どんなスコアであっても、ローアマチュアという記録は残る。「ま、内容までは記録されないでしょうから、金子と二人で、ここは素直に喜ぼうよ、と話をまとめました」。
そんなわけで、表彰式には二人並んで臨み、銀皿を贈られた。
|