1歳年上のプラヤド・マークセンに誘われて日本シニアツアーに参戦して2年目。ウィラチャンは、アジアツアーの強豪らしさを今週も十分に示した。2週連続優勝はならなかったが、どんな状況でも表情を変えず、淡々としたプレーで連日アンダーパーをマークした。2打差を追ってスタートした最終ラウンド。最終組で谷口徹との直接対決となった。8番までスコアカードどおりの数字を並べ、9番で初バーディを奪ったときには、1打差にまで詰め寄っていた。
「今日はティーショットが良くて、気持ちよく振れた。でも、わずかにラフに転がり込んだりして、昨日までのように自分にはラックがあるという感じではなかった。そんな中で、前半9ホー
ルは13パットでスコアをキープできた。粘っていれば、まだ逆転チャンスはあると思っていた。“これは、勝負の分かれ目になるかもしれない”と思ったのは、11番(パー5)だった。自分は70センチのパーパットを残して、谷口さんのパーパットは4メートルぐらいあった。谷口さんのパットは、ラインも微妙だったから、“もしかすると、このホールで並べるかな…”なんてチラッと考えた。でも、谷口さんは、このパットを入れてきた。ガッツポーズもしていた。どれだけ大事なパーパットであるか、谷口さんも察知していたのでしょう。あれを決められて、あとで振り返ったときに、“あそこが勝負の分かれ目になったな”ということになりそうな気がしたんです」。
ピンチを切り抜けた谷口は、13番をバーディにし、逆にウィラチャンは14番をボギーにして差は3打に開いた。
最終18番ホールで最後の一波乱はあったものの、1打差の2位。ウィラチャンは「この厳しいセッティングの中で、毎日アンダーパーで回れたのは、とてもうれしいし、非常に満足のいく大会になりました」というコメントで日本シニアオープンの感想を締めくくった。
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