木下彩は、渋野日向子と同期で、ジュニア時代から仲が良かった。昨年の全英女子オープンで渋野が優勝したときには、やはり同期の大里桃子も加えた3人で祝勝会を開いていた。
プロ入り後はステップ・アップ・ツアーへの出場が多く、JLPGAツアー競技への出場は限られている。今年のニトリレディスで初めて予選を突破した。本選手権へは最終予選会を通過して出場権をつかんだ。先週はステップ・アップ・ツアーに出場したあと、故郷の山口に帰り、コーチのもとに足を運んだ。フックボールからストレートボールへ。弾道を切り替えるべく取り組んできたスウィング調整をチェックしてもらうためであった。収穫があった。といっても、それは
スウィングではなく、パッティングだった。もともと感覚派だという木下は、このところ、「ボールがしっかりとラインに乗る感覚がない」とコーチに訴えたところ、「ボールにライン(線)を入れてみたら」と勧められたという。
「それをやったことがなかったので、あまり気が進まなかった。引いたボールのラインとパッティングのラインを合わせるのも難しかった。でも、せっかくアドバイスしていただいたのだから…」と、我慢してライン入りボールで練習グリーンでのストロークを続けてきた。
本選手権は、第1ラウンドからライン引きを試みた。「慣れでしょうか。今日は、ライン合わせに時間がかからなかったし、“これで合っているのかな?”って、不安になることもありませんでした。で、ラインの向きを信じてストロークしたら、微妙な距離のパットが決まってくれました。今日のスコアは、パットのおかげでした」
米国遠征中の渋野とは、LINEでのやり取りを続けている。日本女子オープンへの出場が決まったことを知らせると「ガンバレ!」と返ってきた。本選手権では、もっと派手なニュースを届けたいと木下は願っている。
|