2バーディ・3ボギーの73。笹生優花にとっては、不満足なスタートだったはずだ。でも笹生は、一言「これもゴルフですから」と答えた。その言葉に、笹生の比類ないゴルフ観が伝わってきた。
「ゴルフは、簡単ではないですから。今日は、自分としてはまぁまぁですけど……」と決してスコアの出来に後悔や不平を持ち合わせない。いつだったか、男子プロの藤田寛之が「(ラウンドを振り返って)現実のゴルフを容認しながら、反省するけど後悔はしない」と言ったことがあるが、まさに笹生のゴルフ観と同じように思えた。
ホールロケーションも難しく、しかも午後スタートでグリーン上には、微妙なスパイク跡などがあって、選手たちは
神経質になりがちだ。ところが笹生は「グリーン上は気になりませんでした」と言い切った。
同組に小祝さくらと古江彩佳がいた。楽しかったですか?という質問にも「いや、私はゴルフ(をすること)自体が楽しいですから、ワイワイすることが楽しいということではないと思います」と言った。
飛距離が並外れているということだけではなく、そんなゴルフと向き合う一途な気持ちと、貪欲にゴルフを追求する姿勢が、きっと笹生を支えているのだろう。
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