10番ホールからスタートした上田桃子の最初のバーディは12番(パー5)だった。1、2打目と計算通りのショットでピンまで80ヤード地点にボールを置き、そこから1.5メートルにつけた。続く13番(パー3)では、グリーン右にはずした。ライが悪く、「寄ったらラッキーだな」と思ったアプローチショットがチップインしての連続バーディとなった。18番では「はずれてもしようがない」と思ったという5メートルのパーパットが決まった。
1番からの後半で2バーディを加えて、4アンダーパーにまでスコアを伸ばしてのホールアウトとなった上田は「不思議だなあ…と思いながらのラウンドでした」と、第1ラウンドのプレーを振り返
った。「このところ、ショットの調子が落ちていたんです。その前は、調子が良くても、スコアにはならなかったのに、落ちてきたら、こんなスコアが出る。どういうことなんだろう。わかりません」
ひとつ、理由があるとすれば、本選手権から持ち替えたパターが、しっかりと働いてくれたことだという。上田といえば、すぐにピンタイプのパターが思い浮かぶ。それが、本選手権では大型ヘッドのネオマレットタイプに切り替わっていた。練習ラウンドのとき、グリーンで試したら「ストロークしやすかったし、タッチが合った」ということで、本番での使用を決めたという。
上田にとって本選手権は公式戦43試合目の出場となる(日本女子オープンは13回目)。優勝はなく、2位が2回、トップ10が18回。「そうなんですよね。メジャータイトルに縁がないというか、勝てないんですよね」
この日は、キャディーとのコミュニケーションを意識した。「このホールは、何が大切でポイントに挙げるべきは…なんて、ほとんど、わたしの独り言のような調子だったんですが、話しかけることでリラックスと集中の切り替えもうまくいったのかもしれません」
初のメジャータイトル獲得を目指して、上田は不思議なラウンドといいながら、絶好のスタートを切った。
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