【事実】
球がパッティンググリーンを外れ、ラフの中に止まった。意図するスタンスの場所にスプリンクラーヘッド(動かせない障害物)があり、救済を受けるために障害の状況を確認しようとして球に対してどのようにストロークをするかをシミュレーションしている過程で球が動いた。
【裁定】
チーフルールズディレクターがTV映像を確認し、球は定義に基づいて動いていると判断しました。そしてその映像を上田選手とキャディーにも見ていただき、球が動いているという事実を確認しました。
上田選手からはその行動は完全な救済のニヤレストポイントを決定するためにスタンスがどの程度スプリンクラーヘッドの障害となるのかを評価するためのものであったとの説明があり、チーフルールズディレクター、チーフレフェリーと共に映像から上田選手が規則16.1に基づく救済を受ける場所を決定するための行動をとっていたことは明らかであることを確認しました。
規則9.4bでは球が動いた原因がプレーヤーにある場合、1罰打を課す旨を規定していますが、この規定には例外が4つあり、その例外4では、「規則に基づいて救済を受けることができるかを決定するとき(例えば、ある状態からの障害があるかを確かめるためにクラブでスイングする)、または救済を受ける場所を決定するとき(例えば、完全な救済のニヤレストポイントを決定する)を含め、規則に基づいて救済を受ける」場合は、その合理的な行動をとっている間に偶然に球を動かす原因となった場合は罰はないことを規定しています。
したがって、上田選手の球が偶然に動いたことは規則9.4b例外4に該当し罰はなく、その後、規則16.1に基づき動かせない障害物からの救済を受けてプレーしているので、規則9.4bに基づいてリプレースをする必要もなく、すべて規則に基づいてプレーしているとの裁定を行いました。
チーフレフェリー貝原剛
チーフルールズディレクター市村元
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