本年度JGA主催ナショナルオープンの最後を飾る「2020年度(第85回)日本オープンゴルフ選手権」の開幕を明日に控えた10月14日、出場選手たちは、千葉県野田市の紫カントリークラブすみれコースで最後の調整を行った。
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10月2日にプロ転向を発表し、本選手権がプロデビュー戦となる金谷拓実。アマチュア時代には2017年大会で池田勇太と優勝争いを演じて2位入賞を果たすなど、ローアマチュアを3度獲得するなど、本選手権は金谷にとっても思い入れが強い大会で、「日本一を決める大きな試合で、アマチュア時代に多く出場させていただいているので、優勝を目指して頑張りたい。難しいセッティングの中で、自分がどれだけできるのか、楽しみです。皆が目標にするタイトルでそれに向けて調整をしているし、獲りたいタイトルだと思うので、自分も優勝したいと思います」と、気合を込める。全米オープンから帰国後、2週間の自主隔離期間は、実家の広島に帰って、家の中でできることをしていたという金谷。先週から本格的な練習を始めたという難しい調整の中で、どれだけ結果を残せるか、プロ初戦から実力が試される。しかし、金谷自身に気負うところは見られない。「コースは長いですし、グリーンも傾斜が強いホールが多い。パー3は距離が長かったり、池が絡んでくるホールも多い。そこをしっかりパーセーブして抜けていければ、いいスコアにつながると思います。ショットの精度だったり、パッティングに自信を持っているので、そこを見てもらいたい」と自信を覗かせた。
2008年、2009年と2年連続で2位と日本一の称号にあと一歩に迫りながら逃している石川遼。ナショナルオープンへの思いは人一倍強いが、今年はその気持を更に高める要因がある。「日本オープンへの高揚感と緊張感が入り混じったような独特な気持ちですが、ここ10年で1番多くプレーをさせていただいているかなという紫カントリークラブすみれコースでの日本オープンということで、支配人、副支配人をはじめコースの方々がプライベートのラウンドのときと同じように出迎えてくれたので。ついにここで日本オープンをやる日が来たな…そういう気持ちが大きい」と、慣れ親しんだコースでのナショナルオープン開催に自身への周囲の期待が高まっていることを感じている。しかし、コースセッティングは、「約7,300ヤードでパー70は、非常に長いと思います。数少ない2つのパー5も距離が長いので、マネジメントが問われるし、パー3も距離がある。170ヤード前後のパー3はチャンスになるとは思うけれど、そこで意気込みすぎたりすると…チャンスは少ないと思うけど、必ずあると思うので、そこのメリハリが大事。自分が立てたマネジメントを守り続けて、4日間ということを考えて組み立てていかなければいけない。普段もこのコースでプレーさせていただいていますが、いつもとは全く違う攻め方になる。この難しいセッティングだと、4日間スコアを伸ばし続けるのは想定していない。でも、このセッティング、グリーンスピードになるからこそ、このコースの良さというか難しさがすごい出ると思う。プレーしていてすごく楽しい」と、紫カントリークラブすみれコースの難しさを更に際立たせ、慣れ親しんだ庭ともいえるこのコースを大きく変容させている。周りの期待に答え続けてきた石川遼の真骨頂なるか。明日からのプレーに注目が集まる。
本選手権初優勝の期待がかかるもうひとりは、今シーズン初戦のフジサンケイクラシックをプレーオフの末に制し、プロ3勝目をあげた星野陸也。「ラフは深くて、グリーンは早い。まさにメジャーというセッティング」と、ナショナルオープン仕様に仕上げられた紫カントリークラブすみれコースを評するが、「難しくて、面白そう」と攻略への自信を見せる。コロナ禍の影響により試合間隔も空いているが、「トレーニングもしてきているし、コンディションはいい感じです。筋力も上がっていると実感しているし、ラフの長さも対応できると思う」と、たゆまぬ努力が結実することを自分自身が期待している。圧倒的なパワーを身につけて米ツアーで活躍するブライソン・デシャンボーの姿を見て、「世界のゴルフは、パワーゲーム化している。バーディのチャンスがあるホール、距離があるパー4で耐えるホールがある。自分の飛距離も武器にしつつ、ラフから高い球を打つ力と技術を試されるコースだと思う」と視線の先に見据えるのは、世界の舞台。そこに向けて、「日本オープンは、優勝したい試合。優勝だけを目指しています」と熱い思いを残し、練習場で最後の調整を行っていた。
多くのゴルファーに門戸を広げ、真の日本一のゴルファーを決める舞台がナショナルオープン。本選手権では18名のアマチュアが、その頂を目指してプロフェッショナルとしのぎを削る。その中でも最も注目を集めるのは、中島啓太。他の出場選手同様、コロナ禍で大学の試合、JGAナショナルチームメンバーとしての国際競技が相次いで中止する中で、本選手権に向けて出場した地区予選、最終予選に続いて3試合目となる中島は、「試合がない中で準備はしてきたので、コンディションは悪くない」とこの1年でパンフアップされた身体で、好調をアピールした。JGAナショナルチームの先輩である金谷拓実のプロデビュー戦ともなる日本オープンは、4度目の出場となる中島にとっても特別なものになるようで「ずっと遠征でも一緒に過ごしてきましたし、金谷さんの背中を見てナショナルチームで活動してきたので、寂しい部分もありますけど、嬉しい気持ちもあります」と、感慨深げ。しかし、出場選手の一人としては、アマチュアもプロフェッショナルも関係はない。「優勝を目標にしてプレーしたいですし、集中してやっていけたらいい」と、高みを目指して明日の開幕を迎える。
第1ラウンドの模様は、NHK(BS1)で13時~15時8分、NHK(総合)で15時8分~16時50分で生中継の予定です。
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