2020年度(第85回)日本オープンゴルフ選手権競技
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競技報告
【金谷拓実は悪戦苦闘のプロ最初のラウンドも最後の1打に明日の巻き返しを確信】
第1日 競技報告:三田村昌鳳    写真:Y. Watanabe
プロ転向初戦。注目の金谷拓実。というニュースが大きく扱われる。でも、金谷本人は「うーん。まだ実感がないですね。学生していますし、ウェアも大学ゴルフ部のものですし(笑)」といたって冷静だ。金谷にプロ転向のことを訊くと「確かに、同年代、海外の選手はプロ転向して優勝したりとか。渋野(日向子)選手が海外メジャーで優勝したり。それは刺激になりますけど、プロとかアマとか関係なく、自分では、もっと実力をつけたいという気持ちだけなんです。自分をどんどん高めてやっていきたい。向上心かな。自分がどんどん上手くなりたいという気持ちでいっぱいなんです」と言う。金谷が目指しているのは、プロ入りが最終目標でもないし、そこ
から先の大いなる野望がある一歩、階段の1段に過ぎないからだ。

だから第1ラウンドの1番、ティーショットを打つときにも「いつもどおり、まっすぐ飛んていって欲しいな」とごく当たり前に思ったという。
プレーは、3番で幸先の良いバーディ。ところが次の4番で、ダブルボギー、5番で、ボギーと悪戦苦闘。4番のダブルボギーは、2打目でユーティリティーを使ったが、その球がバンカーの淵にのめり込んだため。5番は、3パット。「雨でスピード感がイメージと違っていてショートして、それ以来、タッチがうまく合いませんでした」という。9番のボギーは、ティーショットが左バンカーの淵に近いラフ。足場はバンカー内で、球は深いラフ。打ったボールは、すぐ先のラフに飛んだだけ。さらに3打目は、グリーン右手前。ピンまで25ヤードを寄せて、ようやく1パットのボギー。さらに15番でもボギーとし、4オーバーパー。金谷の真骨頂は、実は、そこからだった。

「僕は、調子悪い時でもどんなときでも、考えているのは、1打1打、諦めずに丁寧にプレーするということしかないんです。それが目標なんです。ですからゲームを投げたりするとかは、絶対無しで。自分の中では、無しです」というように、17番でバーディ。そして圧巻だったのは、18番(パー5)。このホールは、572から612ヤードまで変動する。雨中の第1ラウンドは、572ヤードにティーイングエリアを設定した。
金谷のティーショットは、285ヤード先のフェアウェイを捉えた。そして見事に2オンしてイーグルチャンス。イーグルこそ逃したが、バーディ。
この日、2オーバーの72。48位タイで第1ラウンドを終えた。
「あのショットが打てれば大丈夫です。明日から、どんどんスコアを伸ばしていきたいと思います」という自信を持ったという。

金谷は、どちらかといえばスロースターター。昨年、アマチュア優勝を果たした三井住友VISA太平洋マスターズでも第1ラウンドは、3オーバーパーで「このままだと予選落ちもあるかも」というポジションからの優勝だった。
粘って、粘って、粘っていると金谷拓実の勝利へのアドレナリンが沸騰するのかも知れない。

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