アマチュアの河本力は、スタート前に「第3ラウンドの13番でのツーリングでグリーン上で正しい位置にリプレースされなかった球をプレーしたことは規則14.7(誤所からのプレー)に違反し2罰打を受けることになる」として通算4アンダーパーから2アンダーパーに訂正された。
「朝、寝ていたら電話がかかってきて、1回出れなかったんで、折り返してって感じです。8時半に起きようと思っていたから、7時半ぐらいですかね。朝、確認してもらいたい映像がありますって言われて、会場来てスグ呼ばれてって感じです。確認して「あっ本当だ。申し訳ないです」って言ったら、2罰打になりますって言われて...プレー出来ただけ良かったです
。はい。納得しています。これからは気持ちたかぶってもちゃんとリプレースしたいです。気持ちを切り替えられたのは...ショット練習終わったぐらいです。気持ちを切り替えてやるしかないし、気持ち切り替える以外、引きずってもしょうがないし」と、河本本人は、うっかりミスに納得し認めてのスタートだった。
首位の谷原とは、3打差。もう攻めのゴルフをやり通すしかない。3番でバーディ。その後、7番でもバーディと肉迫したが続く8番でダブルボギーを叩いてしまった。通算4アンダーパーから再び2アンダーパー。首位の谷原がその時点で通算6アンダーパーと差がついた。後半に入って河本は10番、そして12番のボギーを叩いてしまう。それでも、彼の回復力は、凄まじい。13、15番とバーディ。再び通算2アンダーパー。けれども、その後、なかなかバーディが獲れなかった。「17、18番、すごく短いパットあったんですけど、両方パンチが入ったみたいな感じで、緊張したというか、絶対入れたいって思って。 バーディ、イーグルだったら、まだワンチャンスあるなと思っていたし、ドライバーがスゴい調子良かったから、獲れるだろうと思っていたので、2メートルについて、セカンドショットも(ピン)筋っていったんで。それで、両方外したみたいな。それは緊張してたっすね。17番が2メートルぐらいで、18番が1.5メートルぐらい」と、若者らしいサバサバした感じで答えた。河本には、もうひとつのトラブルがあった。それは、18度のフェアウェイウッドのヘッドが、割れてしまっていたことだ。それは昨日の試合後。練習場でショット練習したときに割れたのだ。なんとか代替えを準備して最終日に臨んだのである。結局、通算2アンダーパーでホールアウトした。
河本が足踏みをしている間に、ローアマチュア争いに杉原大河が踊りでてきた。杉原は、第3ラウンドを終えて通算イーブンパーでスタート。4番、ボギー。そして6,7番でバーディを奪って後半に進んだ。
「今日は、ドライバーでフェアウェイをあんまりキープできなかったというのと、何度かチャンスはあったんですが、それをなかなかモノにできなかったので、アイアンショットが良かっただけに、パターがもうちょっと入っていればなというのがあります」というものの、大の仲良しでジュニア時代からの仲間である河本力と一緒にローアマチュアを獲得できたことに、大喜びだった。
「目標にしていたところですし、良い順位でローアマチュアを受賞できたので、今後の励みになるし、自信にもなります。ローアマチュアになれて、本当に嬉しいです。通算2アンダーパーはちょっと悔しい部分もあるけど、正直やり切った感じはあるので、そこは満足しています。この難しいセッティングのなかで、良いところで回らせていただいて、良い順位でフィニッシュできたのは、練習してきた成果が出てきていると感じます」と感想を語った。全体成績で、堂々の5位。仲良しコンビが揃ってローアマチュア。
河本は「ローアマチュアは最低ラインの目標で、トップ10も最低ラインの目標だったので、それをクリア出来て良かったのかなと思います。できれば、学生のうちに日本ツアーで勝てる実力はつけたいと思っているので、まだまだだと思っています」と、前向きの姿勢が清々しかった。確かに、河本にとっては少しほろ苦い経験だったけれど、ふたりとも表彰式では爽やかな表情でローアマチュアのプレートを仲良く手にしていた。
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