スタート前に石川遼は、目標スコアを設定していた。「上位に食い込むというより、できることなら逆転優勝とまで欲張っていたので4、5アンダーパーで回らないことには話にもならないと思いました。最低で4アンダーパー、できれば5アンダーパーでいけば、通算で3アンダーパーまでいける。とにかく、これまでの3日間とは違う攻め一辺倒の前のめりゴルフをすると決めていました」
前日までは3番ウッドやアイアンで打っていたホールもドライバーを振りちぎった。「おかげで、バーディチャンスをたくさん作れて、パットも決まりました。7バーディで、2ボギー。ええ、このコースでこういうゴルフをしていったら2ボギーは仕方がないところで
しょう。想定内と言っていいと思います」
目標スコアを達成し、通算3アンダーパーでホールアウトし、メディアに囲まれた石川は、「それでも、ちょっと足りなかったですね」(最終組は、まだ数ホール残していた)。「でも、精いっぱいのゴルフができたことには、満足しています」次戦は、ZOZO CHAMPIOMSHIPになる。そこに向けて、最終ラウンドのゴルフで石川は「今日のゴルフでつかめた収穫を、大舞台にぶつけたい」と、口にした。
ずっと続けてきたスウィング改造が完成に近づいてきたという手応えがあるという。「フジサンケイの頃は、ドローボールを打とうとして逆球が出たり、芯をはずしたり…。それが、80%以上打ちたいショットを打てるようになってきたので、スコアメイクの方に神経を集中できると思います。この、スウィング、ゴルフで戦うという覚悟もできました。日本オープンの最終ラウンドの追い上げと、3位という成績にちょっと自信をつかめました」
第1ラウンドの出遅れから、最終ラウンドの大まくりまで、石川得意の劇場型ゴルフは、コロナ禍が終息後のトーナメントで、またファンを沸かせることになりそうだ。
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