いつもなら試合前に、自分の中で毎週毎週「あるテーマ」を持って挑むという習慣があった。ところが、「今回はベストを尽くそうと思ってやっているので、今週はテーマを決めないで今できることに集中してという感じでコースと向き合えているかなと思います」と言った。10番からのスタートだった。気持ちにも、なまじっか余裕があったのだろう。「最初は様子を見ながらマネジメントをしていていけるな」という感じで、4ホールは、手堅くパープレー。そして、行けると判断したのだろう。14、15、17番と3つのバーディを奪った。
「このコースは、バーディーもボギーもどっちも出そうなホールなので高い集中力は必要かなと思いました
。より集中してバーディー狙いにいったホールで獲れたのでのっていけたと思います」と前半9ホールは、32で折り返した。圧巻だったのは、17番、490ヤード、パー4。ここは難易度も高く、まずはパーセーブという計算が先に浮かぶ。最終日になれば、きっと優勝争いを決定づけるキーホール。この烏山城CCで開催された2015年大会で、堀琴音が、刻んで3オンのパーを狙ったものの惜しくもボギーとして優勝を逃したことでも注目を浴びたホールだ。
上田は、第1打をしっかりとフェアウエイに落としで、残り195ヤード。4番UTで狙ってピン手前3メートルにつけての見事なバーディ。「ショットが良かったので気持ちよく振りました。ティーショットも気持ちよく打ててセカンドも距離が長かったですけど、ピンが奥でチャンスだったので気持ちよく打てました。ただ「正直、(攻略は)風次第で状況変わるので、アゲンストだったら難しくなりますし、まわりの人達も難しいと思います。今週はキャリーも出ていますし、今から明日のイメージするのは難しいので、その時その時の状況判断をしっかりとやっていって、ティーショットをドライバーで打たない選択もあると思いますし、思い切ってドライバーで打つ判断もあると思うので、その時に考えようと思います」と、判断力、ショット力、マネージメント力も充実しているように見えた。もちろん、その裏には「最近飛距離も少し(250Yちょい)伸びてきているんです。うーん、10ヤードぐらいかな。でも、キャリー距離をしっかりと読めるようになったことが大きい」という技術力もある。
後半に入って、2、3番とバーディを奪って5アンダー。4番からの6ホールは、ずっとパープレーが続いて、この日、66をマークしたのだった。ただしこの6ホール。スコアカード通りのパープレーだったが、上田らしい粘り、好調さがうかがわれる話があった。「絶対に外しては(行っては)いけないサイドがあるんですけど、そこにボールが行ってしまって、そこをボギーにしないで、しっかりとパーセーブができたことが、よかったと思います」と語った。確かに、バーディを奪取する小気味の良いプレーも大切だけれど、地味だけれど、大きな意味のあるパーを、着実に拾えることも大きい。攻めるゴルフと守るゴルフ。その両立がいまの上田は、しっかりとできていた。
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