2021年度(第54回)日本女子オープンゴルフ選手権競技
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   今シーズンの女子ツアーは、小祝さくら、稲見萌寧両選手を中心に熱のこもった戦いが繰り広げられてきた。2020年ゴルフ5レディスでプロ2勝目を挙げた小祝は2021年開幕戦のダイキンオーキッドレディスも制した。21年の戦いを前にして、辻村明志コーチの元で練習を重ねる同門の上田桃子、永井花奈、松森彩夏、吉田優利らと目標を発表し合った。「私は、賞金女王を狙います」と小祝。
 もうひとり、自分の思いをオープンに語っていたのが稲見萌寧だった。こちらは、「世界ランクをもっと上げて東京オリンピックの日本代表になりたい」であった。そして、宣言通りに渋野日向子を同ランキングで抜き、五輪切符を手に入れ、銀メダルに輝いた。
 五輪が明けると、両者の戦いが再燃し、小祝が23戦(NEC軽井沢72ゴルフ)、24戦(CAT Ladies)と連勝して20-21シーズン5勝を挙げた。すると25戦のニトリレディスで稲見が同シーズン7勝目をつかむ。熾烈な新女王争いは、ますますヒートアップしていった。
 オリンピック出場で、ひとつの目標を達成した稲見は、新たな目標を掲げた。それは「シーズン10勝」というもの。稲見は日本女子プロゴルフ選手権でも最終日に逆転優勝を果たし、シーズン8勝目を挙げるとともに、獲得賞金2億円を突破、賞金女王争いでも小祝を抜いてトップに躍り出た。賞金女王争いだけではなく、平均ストローク、平均バーディ、パーブレーク率といった部門別争いも稲見と小祝が1位、2位を分け合っている。高額賞金のナショナルオープンでも、両選手は火花を散らすことになるだろう。

復活をかける渋野日向子

 小祝とともに黄金世代のひとりである渋野日向子は、国内メジャーのワールドレディスサロンパスカップで初出場初優勝を果たすと、世界のメジャーである全英女子オープンも初出場で初優勝の快挙を成し遂げた。樋口久子以来のメジャー優勝であり、一気にニューヒロインの座に駆け上った。その後海外遠征や、スイング改造など、もう一段上を目指したことで、やや低迷したが、スター性やポテンシャルの高さは立証済みだ。今大会では日本女子ツアーのメジャー2個目のタイトル獲得で復活優勝を飾ってもらいたい。
 

古江彩佳、西村優菜、吉田優利 プラチナ世代最多勝争いは三つ巴戦

 黄金世代に続いてアマチュア界をリードしてきたのがプラチナ世代と呼ばれる古江彩佳、西村優菜、吉田優利に安田祐香を加えた選手たちだった。このうち安田は腰痛に悩まされ伸び悩んでいるが、残る3選手は、プロの世界でも早くも中心勢力になっている。最初に頭角を現したのは古江だった。19歳で出場した富士通レディースで史上7人目のアマチュア優勝を成し遂げて一足早くプロ転向。20年にはデサントレディース東海クラシックでプロ初優勝すると、伊藤園レディス、大王製紙エリエールレディスでも勝ってプロとして3勝を挙げた。古江を追って、20年の三菱電機レディスで初優勝を果たしたのが西村。その西村は21年のワールドレディスで2勝目を挙げた。
 左手首を痛めて出遅れていた吉田だったが、21年後半を迎えようかというタイミングで一気に両選手を追撃した。第22戦の楽天スーパーレディースで最終日バックナインの怒涛のゴルフは圧巻だった。前半を3バーディ・1ボギーの2アンダーパーでインに折り返すと、12番ホールからなんと5連続バーディ奪取であっという間に頂点に突き抜けていった。ピンを刺す正確なアイアンショットと持ち前のパッティングが見事にかみ合って2位以下の選手を寄せ付けなかった。さらに26戦のゴルフ5レディスでも初優勝時を彷彿とさせる攻めのゴルフで最終日にバーディラッシュを見せた。5番から16番までの12ホールで8バーディを奪い、通算14アンダーパーで並んだ岡山絵里をプレーオフ2ホール目で下して2勝目を挙げた。これで古江3勝、西村と吉田が2勝と複数回優勝になり、さらに優勝回数を増やす勢いを見せている。プラチナ世代で最多勝利を挙げるのは、誰になるのだろうか。
古江 彩佳、西村 優菜、吉田 優利
堀 琴音、山下 美夢有、大里 桃子、大里 桃子、若林 舞衣子

プロ2 勝目はどちらが先?
2016年大会のリベンジの思いを秘める
堀琴音 VS 山下美夢有

 2021年にプロ初優勝したのが堀琴音と山下美夢有。
 7月のニッポンハムレディスでは、堀琴音がようやくプロ初勝利を挙げた。その堀には日本女子オープンに苦い思い出がある。首位で迎えた最終日の終盤。距離の長い17番パー4ホールで第1打を絶好の位置に打ち出しながら、クリーク越えの第2打をレイアップした。このときのレイアップ策は、プロとして消極的に過ぎないか…という物議を呼んだが、堀は、こう語っていた。「ベストポジションではありましたが、自分の飛距離ではクリークにつかまると判断しました。悔しいのは、レイアップした後の3打目をピンに寄せられなかったことです」
 あれから5年、堀にリベンジの機会が訪れた。プロ2勝目は、ぜひ同時に日本女子オープンでリベンジを。山下は大阪桐蔭高校3年生に在学中プロテストを受け、高校生プロとなった。JLPGAの入会式では、ただひとり高校の制服で出席していた。150センチと小柄だが、切れの良いショットと練習を積み重ねてきたショートゲームの上手さでQTも突破し、ルーキーイヤーの20年からツアーに参戦した。そして21年もツアーでの戦いに臨んでいた。4月のKKT杯バンテリンレディスで待望の初優勝を果たした。トーナメントリーダーとして迎えた最終日、さほどの緊張は見せずに、時おりキャディーと談笑しながらスコアを伸ばしていく姿が印象的だった。終わってみれば、2位に小祝さくら、古江彩佳を従えて大会レコードの14アンダーパーで5打差の圧勝であった。

爆発をもう一度見たい
大里桃子に期待が集まる
二度目の大ブレーク

 5月の大里桃子は輝いていた。パナソニックオープンレディースで上田桃子とプレーオフで“桃子対決”を演じた。敗れたものの2位だった。続くワールドレディスでは2位タイ。そして翌週のほけんの窓口レディースで優勝。さらに翌週の中京テレビブリヂストンレディスでは2位。この4週は2位、2位タイ、優勝、2位と立て続けに優勝争いを演じていた。その後は、足踏み状態になったが、秋を迎えて、もう一度あの快進撃が見たい。
 21年の2勝目を見たい選手は、他にもいる。筋力アップしてパワーヒッターに変身した勝みなみ、ママさんプロとしてGMOインターネット・レディースで優勝した若林舞衣子。豪打、快打は見逃せない。

照準を合わせてきた実力者たち

 20年2勝、21年も2勝している申ジエ。シーズンとしては4勝を挙げ、獲得賞金も1億円を突破。30歳を過ぎても、醒めない夢がある。それは、日本女子ツアーでの賞金女王の座奪取だ。韓国女子ツアー、USLPGAツアーではすでに成し遂げているが、日本では、取りこぼしている。3ツアーでの賞金女王は、申ジエにとって見果てぬ夢なのだ。ツアー30勝で永久シードも視界にとらえてはいるが、18年の年間メジャー3勝で7年シードの権利を持つ申ジエにしてみれば、永久シードよりも、賞金女王の座。日本女子オープンの優勝賞金3千万円は、絶好のターゲットであろう。
 パナソニックオープンレディースで大里桃子をプレーオフでくだした上田桃子も、シーズン後半を迎えてのビッグイベントは、ターゲットとして申し分あるまい。日本女子オープンは未勝利で、長く、華やかな実績に画竜点睛を欠く思いが残るのではあるまいか。鈴木愛の不振も気になるところだ。スイング改造に取り組み、未完成のままの戦いが続いていたが、資生堂レディスでようやく勝利をつかみ、浮上ムードは高まっている。

収穫の秋
調子を上げてきた選手に注目

 未勝利ながら、コンスタントに成績を残しているのが高橋彩華と西郷真央。高橋はトップ10入り15回で平均ストロークは8位。賞金ランキングも12位にいる。日本女子アマ元チャンピオンで、黄金世代の先頭集団にいたが、プロ入り後は優勝から見放されている。
 西郷真央もまた日本女子アマでは優勝している。20-21年シーズンはトップ10入り14回。獲得賞金は1億711万円強で6位にランクされている。両選手とも、いつ勝ってもおかしくない実力は備わっている。
 シード落ちの危機にさらされていた新垣比菜は、夏場を迎えるまで「どこに飛ぶかわからない状態にまで落ち込んでいた」という。シード圏外を浮遊していたが、なんとか調子を取り戻してきたのは、9月になってからだった。ゴルフ5レディスで2打差の3位タイに食い込んで久し振りに元気なゴルフを見せてくれた。ショットがまとまりだし、パッティングも決まりだした。調整してきた成果を披露する時がきたのではあるまいか。調子は上向き。いよいよ収穫の秋である。

申 ジエ、鈴木 愛、上田 桃子、新垣 比菜、高橋 彩華、西郷 真央

顔ぶれ多彩なローアマ争いにも注目

 松山英樹がマスターズに勝利する8日前、同じ舞台から先にビッグニュースを日本に届けたのが梶谷翼だった。それは、オーガスタナショナル女子アマ選手権での優勝という知らせだった。日本からはただひとりの出場で、予選を突破してオーガスタナショナルでの決勝ラウンドに進み、最終日に通算1オーバーパーで並んだエミリア・ミリアッチオ(アメリカ)をプレーオフ1ホール目にくだしてビッグタイトルを手にした。17番でダブルボギー、18番でもティーショットをバンカーに打ち込みピンチに立たされたが、第3打のアプローチショットをバックスピンと傾斜を利用してのショットでピンに寄せ、ガッツのパーセーブでプレーオフに持ち込んだものだった。
 滝川第二高校1年生時に日本ジュニア(15-17歳の部)で優勝、さらに日本女子オープンでは全体の9位に入りローアマを獲得した。2年生時はコロナ禍でほとんどの競技が中止となり、練習に時間を割く程度だったという。さらに昨年12月には左足首のじん帯を痛め、1か月間クラブを握れなかったというアクシデントに見舞われたが、それも乗り越えてのオーガスタナショナル女子アマ優勝であった。
 尾関彩美悠は、今年の日本女子アマチャンピオン。岡山県作陽高校の3年生で渋野日向子の後輩にあたる。目標にしている選手は…。残念ながら渋野ではなく、コースマネジメントに長け、正確なショット、ライン読みに定評がある申ジエということで、プレースタイルへの憧れがあるそうだ。
 この尾関に日本女子アマ最終日に逆転優勝をさらわれた手塚彩馨(1打差の2位)は、日本女子オープンの最終予選会に挑戦して本選出場を果たした。148センチと小柄ながら、思い切りのよいスイングでターゲットをとらえるゴルフを展開する。女子アマで味わった悔しさを日本女子オープンで晴らそうと意気込んでいる。
 学生NO.1の実力者は星川ひなの。日大4年生で、2019年、2021年日本女子学生選手権を連覇(2020年はコロナ禍で中止)している。大会連覇は史上6人目で18年ぶりのこと。ステディーなプレーで知られ、日本女子アマでも高校生アマに交じって上位争いを演じ、6位タイに入っている。あなどれない存在だ。
@梶谷 翼、@尾関 彩美悠、@手塚 彩馨、@星川 ひなの
@:アマチュア
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