まさにゴールデンペアリングだ。東京五輪で銀メダリストの稲美萌音、ディフェンディングチャンピオンの原英莉花、そして渋野日向子。この日集まったギャラリー2824人(5000人以内制限)の大半が、このペアリングに注目し、18ホールをついて回った。「あれだけ沢山の方々に囲まれたのは、ほぼ2年ぶりですかね。海外ではあったけど、やっぱり緊張しました。これだ、これだ。試合らしさがでましたね」と渋野は、興奮した。その声援も手伝ってか、渋野は7バーディ・4ボギーと出入りの激しいプレーで3アンダー、4位タイで第1ラウンドを終えた。
3人のプレーを見ると、なんと3人ともパープレーだったホールは、わずか4ホール
。だれかがバーディかボギーを、14ホールでとっていた。それだけ絢爛豪華なプレーぶりだったといえるかも知れない。
渋野は、1番で2メートルを外してボギー。その後、3、5,6,8番とバーディを奪った。さらに後半は、10番でボギーのあと12、13、14番と3連続バーディ。惜しかったのは、17、18番のボギーである。
「3つのパー5の第2打を、すべて3番ウッドで狙えたことが嬉しい。特に、14番、パー5の第2打、248ヤードを3番ウッドで2オンできたことが、よく振り切れているなという現れだと思います」と語った。「ドライバーが安定してきたことがなによりですね。練習ラウンドのときよりも、第2打で使う番手が短いクラブで打てたんです。まあ、ラフに入ったりもありますが、それは許容範囲内だと思うし、最初から最後まで気持ちよく振れたのが収穫です」と言う。当然、アイアンショットも良くなる。それが7つのバーディの表れだろう。
「それにパッティングも、タッチが合っているのかも知れない」と言った。スライスライン、フックラインとラインを決めて、5メートルの距離をかなり練習していた。
かえすがえすも、最後の2ホールのボギーが痛かった。「確かに、でもまだ初日ですから……」といい「今日は、大勢のギャラリーに囲まれて緊張し、アドレナリンもでていたんだと思う。そのアドレナリンが、最後の2ホールで悪いほうに行っちゃったんだと思う」と言った。第1打の選んだルートは間違っていなかった。それが多少の狂いで悪い結
果になっただけ、と割り切ることで、明日からのプレーへの切り替えができたのだろう。
バーディが、しっかりと多く獲れたというポジティブな気持ちが、明日へ向かうエネルギーになって欲しい。
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