第1ラウンドを1アンダーパーの30位タイでスタートした西村優菜が、台風でキャンセルになった前日を挟んでの第2ラウンドは8バーディ奪取(ボギーなし)の63と大爆発し、一気に単独トップに躍り出た。この大会に備えて準備してきたことがある。それは、今大会と同じ舞台で行われた2016年大会でのコースに対しての印象が「長いホールが多く、難しい。高い弾道のショットで確実にグリーンをとらえていくことが大事だ」というものだったためだ。そこで、9番、7番ウッドの練習量を増やしたという。
第1ラウンドには、その効果がすぐに発揮されることはなかったが、台風の影響でキャンセルになった前日、さらに修正を加える時間が
とれたことが大きかった。ホテルに戻って、休んでから近くにある練習場に足を運び、コーチのチェックを受けたのだ。その際「ショットもパットも出玉が安定しない」と現状を伝えると、そこを重点的なチェックポイントにしての練習となった。原因は「パッティングでの視線のずれと、ショットではアドレスのアライメントにあることがわかりました」。前者に対しては、アドレスで目線を打ち出すラインと平行になるように修正した。後者は、アドレスでの左肩、腰の開きをスクエアな状態にした。
これが、第2ラウンドの大爆発に直結した。イメージしたところに打ち出せるようになったことで、自信をもって振れるようになったというのだ。
スタート1番の第2打で手にしたのは5番ウッドだった。ピンまで200㍎。そのショットは、4㍍についた。そして、グリーン上では、狙ったラインにきれいに打ち出された。「いける!」と感じた西村は、第1日の安全運転優先から、攻めの気持ちを強くし、狙えるところは狙うゴルフへと切り替えた。12番までに6バーディを奪い、この段階で通算7アンダーパーとスコアを伸ばしていた。さらに9番ウッドでティーショットした16番パー3ホールでは高弾道のショットでピン横5㍍にピタリと止めた。最終18番パー4ホールは第2打の7番ウッド沈んだ。
「ギャラリーの方も多く、拍手、声援を浴びてのプレー。その中でベストと言っていいゴルフができて楽しかったです。6位になった2016年大会では必死にプレーして、終わってみたら思っていたよりもずっといい結果になっていた。そんな感じでした。今回は、コースマネジメントもしっかりできているし、意図したショットが狙ったところに飛んでいき、チャンスでパットを決める。1ショット、1ストロークが、しっかりつながったゴルフになっていて、それが自分の成長を実感させてくれています。
烏山城での本大会ベストスコアは、2016年大会第3日にチョン・インジがマークした66。西村の63は、それを大きく更新する記録であった。すっかり覚醒した西村は、後半の2日間で3週連続優勝、そして日本女子オープン初優勝達成を狙う。
|