終わってみれば、派手な幕開けと締めくくりだった。5番、508ヤード、パー5。第2打をグリーンやや左手前に運び、そこから直接カップインさせるイーグル。第2打は残り238ヤード。3番ウッドで打ち、グリーン手前、ピンまで「8とか9ヤード」だった。ウエッジの50度と58度の選択で、悩み抜いた末に58度を手にした。「あんまり上げるアプローチって実践でやっていなかったけれど、キャディさんと相談して、練習で結構やっているし、うまく行っているからと58度で上げるショットをしました。はい。うまくいきました」と語った。
そして、エンディングは、18番だ。400ヤード、パー4。17、18番と土壇場で待ち受ける
難ホール。フェアウエイ左サイドは、グリーン手前までフェアウエイに沿ってずっと池がある。グリーンはそこから上り傾斜になっていて、しかも2段グリーン。もちろんそのアンジュレーションも微妙にうねっている。勝は、第2打、残り173ヤードを5番アイアンで打った。グリーンやや右手前まで運んで、そこから、なんと再びチップインのバーディだ。「ちょっと鳥肌がたちましたね。いっぱいギャラリーがいて、すごい拍手でした」
この2ホールだけ見れば、派手だけれど、その間のホールは、粘り強く1打1打を積み重ねていた。5番のイーグルで通算9アンダー。そして8番、パー3では186ヤードを5番アイアンで打ち、グリーン奥のバンカーへ。ピンまで30ヤード。カップ手前2メートル半につけたが、それを外して2パットのボギーで8アンダーに落とし、10番、パー4。第2打、残り144ヤードを8番アイアンで放ち、5メートルにつけてのバーディ。再び9アンダー。その後、ずっとパープレーが続く。バーディ逃しの惜しいパーもいくつもあったし、難関17番では、残り222ヤードからフェアウエイウッドで打ったボールが、いったんは池に飛び込み、そこから跳ね上がってグリーン手前、池の近くのラフへ。さらに3オンさせたけれど、結局2パットのボギーだった。
「プレーしていて、ほんとに成長したなと感じた1日でした。日本女子オープンは、高校2年のときに12位だったか13位(実際は11位)になったんです。あー、いつかはこの日本女子オープンに勝ちたいなと思った瞬間です。でも、翌年の高校3年のときには、予選落ち。それからもいい成績を残せなくて、正直悔しかった。それからようやくここ(いい位置)までこれて、ほんとに勝ちたい。勝ちたいです」と熱く語っていた。今日のラウンドも「嬉しくて、楽しもうっていう気持ちで挑みました。無理にバーディを獲りに行こうというゴルフではなく、もっと全体的に見据えたゴルフをしようと」と言っていた。
勝みなみそんな耐えるゴルフ、凌ぐゴルフ、粘るゴルフ。成長したゴルフのご褒美にプレゼントされた派手な2つのチップインだったのかも知れない。通算9アンダー、首位。2位の西郷真央とは1打差。明日は、ぜひ優勝のご褒美を! と声援したい。
|