最終組で首位の西村優菜に2打差でスタートした西郷真央には、なかなかバーディがこなかった。距離的にはチャンスであっても難しいラインばかりで、狙いきれずにいたのだ。そんな中で迎えた9番パー4ホール。第2打の9番アイアンでのショットがグリーンに乗らず、アプローチショットも寄せきれずにボギーが先行した。嫌な流れ…である。
ピンチは、とらえようによってはチャンスになる。西郷は、このボギーによって考えを切り替えることにした。
「前半は、難しいラインのパットで気持ちを決め切れずにストロークしていたんです。ボギーが先行したことで“前半のようなパッティングを続けていたら、ずるずると後退してしまう。入らな
くてもいいから、スパットを、あそこと絞ったら、決め打ちしていこう”と気持ちも決めました。そうしたらすぐにバーディ(10番=5㍍)が決まって、いける気にさせてもらえました。ボギー先行のおかげです」
14番、15番と連続バーディも奪って、西村、勝みなみと並んでトップに立った。17番ホールで第2打を右ラフにはずし、グリーンへ急激な打ち上げになるアプローチもロブショットで寄せようとしたが3㍍ほどショートした。このピンチも読んで設定したラインにしっかりと打ち出して決めてのパーセーブ。最終18番ホールをボギーにしたものの、トップの勝に1打差の2位で最終日を迎えることになった。
西郷はこの8日に20歳の誕生日を迎える。つまり、この日本女子オープンが10代最後の試合ということになる。
「そうですね。最終日も、自分の読んだラインを信じて、今日の後半のように決め打ちしていきたいです。10代の最後をこれ以上にない結果を出して締めくくりたいと思います」
最終日は、第3日の西村に替わって勝みなみとの最終日最終組ラウンドとなる。最後には、自分が笑っていたい。西郷の願いである。
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