前日の第2ラウンドのスコアが、75。一晩過ごした今日、第3ラウンドのスコアが、66。まさにゴルフは、不思議なゲーム。トーナメントは、18ホールを4回繰り返し、72ホールで競われる。その起承転結にドラマがあるから面白いのだろう。渋野の8ストローク差を彼女は「昨日のゴルフをしたことで、今日のゴルフがあった。そう。悪さがあったからこそ、気づけたこともあって、それをしっかりと修正できたから、今日のスコアになったあと思う」と語っていた。
察するに、第1ラウンドの68も、75を叩いても不思議ではない何かを持っていたのだろう。その引っ掛かりが第2ラウンドで露見し、それを修正できたことで今日のスコアにな
ったということかも知れない。昨日の会見で「もしギャラリーさんがいなければ、もっと叩いていたかも知れない。後押しされて踏ん張りました」と言っていた。ギャラリーさんに喜んで貰いたいという意識が強い。そこで、第2ラウンドを終えたあとに練習場へ、走った。徹底的に修正をかけたのは、アライメントだった。
「(目標となる方向を示すためにスタンスに)棒を置いてアドレスの向きをしっかりと修正し、そこで(正しいプレーンどおりに)振り抜ける練習です。スタート前にも再チェックしました。ですから今日は、ミスヒットが少なかったと思います」という修正が、好スコアにつながっている。
5番、パー5では1メートルを入れてバーディ。7番は、122ヤードから「お先に(の距離)」でバーディ。9番では、124ヤードを3メートルにつけてのバーディ。ショットが冴えていた。
後半も、14番で1メートル。18番では、1メートル弱につけた。その第2打は、167ヤード。5番UTで放った。
渋野も、この17、18番が苦手である。今大会、合わせて4回プレーして、ボギーが3回だ。「17番のティイングエリアから立ちにくいんですよね。難しいパー4ですから。今日も、キャディさんと、フェアウエイをキープできたら焼き肉でも行こうかって話していたくらいですから(笑い)。だから今日のプレーの中で、(キープできたことが)いちばん嬉しかったです」と言った。
この2ホールをうまく切り抜けることが、ゲームの中でも大きな意味を持っている。
ノーボギーのゴルフ。上位グループにつけた渋野。でも「まだまだ課題がありますね。でも、いまは良かった点を明日もできるようにするだけです。このコース(とセッティング)は、とても難しくて、優勝って考えなくていいくらい冷静にやらないといけないコースだと思うんです」という言葉が、コース攻略とゲームの過酷さを物語っている。
|