「勝っちゃんだけが、別のコースで戦ってるみたい」と記者会見場に現れた渋野日向子は言った。確かに渋野がホールアウトして会見場にやってきたときは、まだ最終組の勝みなみたちは、コースの中にいた。その時点で15アンダーと飛び抜けていた。渋野日向子は、この日、1バーディ・3ボギーでホールアウトし、通算2アンダーの5位タイで終えていた。
「初日は、まずまず。2日目(2R)は、最悪。昨日(3R)は、ノーボギー、5バーディだったけど、波が激しすぎる。修正点、課題はまだまだありますね」と言った。最終ラウンド。出だしから8番まで、ずっとパープレーが続いた。スコアが動いたのは、9番だった。ボギーである。さらに
13番でもボギー。そして、16番で待望のバーディを奪ったものの、18番で、またボギー。
「何個かチャンスにつけながらも、なかなか決める事が出来ず 、外してはいけない所に外したものが入らずボギーになってしまって、なかなか フラストレーションが溜まるゴルフでしたが、2日目(2R)のゴルフとは違ってパッティングもよかったと思いますし、ボール1個分外れて通り過ぎてしまったり、ラインに乗ったと思ったら、手前で切れて横に止まったりとか、なかなか噛み合わずチャンスをものにできませんでした」と語っていた。
今大会を振り返って「1日目に、いいスタートダッシュ。2日目(2R)で自滅して、また昨日も、(いい意味で)よくわからんスコアで回れて、まともなゴルフができたのは、たぶん、1日目と今日ぐらいかなと思います。でも、5年前よりは、成長したことを自分自身で知れた試合だったと思います。でも、やっぱり上位で争うには、足りないものがたくさんあるなと感じた4日間でしたね」と言い、こう付け加えた。「また来週から切り替えて、自分のやるべきことをできるように、今回の悔しさ……。悔しさばかりですけど、この悔しさをいつか、あんなこともあったなぁ、と思えるような結果を残せるようにがんばります」
渋野は、勝みなみとの関係性を「うーん。ライバルじゃないなぁ、ライバルといったら申し訳ない。仲間感……。勝っちゃんも私もいつかは一緒にアメリカでやろうって話しているんですよ。全米女子オープンに(勝みなみと)出たときに、今年のQスクールを受けないの? みたいな話はしましたけど、そのときは、早くても来年かな? みたいなことは言っていましたね。早く一緒に行こうよっていう話はしました」だから、「仲間感」と表現した。同世代の仲間意識と目標が同じという意味なのだろう。
渋野は「まだまだ課題もあるし、修正点もある、それをひとつひとつ切り崩していきたい」と前向きな姿勢を崩さない。通算2アンダー、5位タイで終えた今大会だったが、渋野の視線は、ずっと高い方向をみつめていた。
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