メジャータイトルのない上田桃子は、今回も優勝には届かなかった。「4打差はあるけど、追いつけない差ではない。最後まで諦めずに積極的なプレーをしたい」
第3日を終え、最終日に向けて上田は、そう語っていた。
最終組の1組前でスタートした上田は「前半でスコアを伸ばせば、最終組に(自分の存在を)意識させられる」と計算していた。3番、5番とパー5ホールでバーディを奪う。7番をボギーにしたものの9番でも第2打を1㍍につけるバーディで通算7アンダーパーにまでスコアを伸ばした。ところが、最終組も同じようなプレーの流れを作っていた。差は詰まらない。そして、後半は、勝の独走となっていった。
もう、手が
付けられない。広げられる差の中で、上田が最後の意地を見せたのが16番パー3ホールだった。ティーショットがピンを刺すように飛んで行った。ピンの4㍍ほど手前に落下したボールは、なおもカップに向かって転がっていった。
ホールインワンか…。
ボールはピンに当たった。当たったが、弾かれて60㌢ほどに止まった。ギャラリーを沸かせたシーンであった。ここをバーディにして、通算8アンダーパー。最終組でプレーした西郷真央と並んでの2位(タイ)フィニッシュ。昨年大会(3位タイ)よりも、ひとつ順位は上がったが、また悲願のメジャータイトルには届かなかった。
「結果は受け入れるしかありません。でも、“もう少し頑張れ”と励まされたと受け取って、練習していきます」
上田の敗者の弁は、潔かった。
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