大学生プロの石坂友宏が好スタートを切った。ショットが冴えわたっていた。インからのスタートでパー5の10番ホール、ピンまで75ヤードの第3打を1・5㍍につけてバーディ発進した。その後も12番2㍍、13番と15番ホールは、ピンそば50㌢につけてタップインのバーディでボギーはなし。4アンダーパーで後半の9ホールに折り返しても、ショットでバーディチャンスを作り続けた。パットも確実に決めてトータル7アンダーパーまでスコアを伸ばしてのホールアウトになった。
練習ラウンドのときから手応えがあったという。「第2打、第3打をショートアイアンで打てるホールが多い。フェアウェイをとらえておきさえすれば、飛距離
は問題にならない。自分向きのコースという印象でした」
フジサンケイクラシックを終えてのトレーニングでギックリ腰のアクシデントに見舞われた。周囲からは「じっくり休んで、直した方がいい」と勧められたが、石坂は「それでも試合を休みたくないという気持ちの方が強くて、戦いを続けた。しかし、バンテリン東海クラシックの第1日、16番パー3ホールの第1打を放ったときにズッキンときて、そのまま棄権することになった。
それでも、痛みが薄らぐと、やっぱりクラブを握りたくなる。痛みをやわらげるためにスタンスを狭める工夫もした。フルスイングを避けて「7~8割のスピードで振るようにもした。「それでも、このコースなら正確なショットの方がスコアメイクに直結するので、そういうこともあって自分向きと思えました」
石坂といえば、ルーキーイヤーだった2020年のダンロップフェニックストーナメントで同じルーキーの金谷拓実とプレーオフを戦い、敗れたものの2位に入った健闘が思い浮かぶ。河本力、杉原大河といった同年の学生アマや一学年下の中島啓太らの活躍に思うところがある。「やっぱり、負けるわけにはいかないと、力が入ります」
石坂の今シーズンは、ブリヂストンオープンまで獲得賞金で23位につけている。「賞金ランキングでも世界ランキングでも、もっともっと上げていきたい」と上昇志向を高めている。
練習ラウンドの手応えで目標スコアを「1日5アンダー、4日間で20アンダーパー」に設定した。第1日は、それを上回る7アンダーパーでクリアした。石坂の戦いから目が離せない。
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