金谷拓実がプロ転向して、ちょうど1年が過ぎようとしている。
2020年10月2日にプロ転向を宣言し、その2週間後の日本オープン(紫CCすみれコース)が、プロデビューの大会となった。成績は、7位だった。優勝した稲森佑貴とは、4打差あった。
「そうですか。1周年経ったかな、と、ある意味記念日なのですね……。でも、この1年は、あっという間だったし、,毎日があっという間に過ぎるので、ちゃんと1日1日を大切に過ごしていきたいなと思います」と振り返っていた。第1ラウンド。金谷は、10番スタートだった。15番までずっとパープレーが続いた。ようやくバーディが来たのが、16番、529ヤード、パー5。バン
カーから5メートルに寄せて、それを入れてのバーディだった。後半に入って、2番、221ヤード、パー3を5番UTを使って20センチに寄せてのバーディ。そして8番、641ヤード、パー5。第3打のアプローチを7メートルにつけ、それを入れてのバーディ。通算3アンダーでホールアウトした。
「出だし(10番)からチャンスを多く作っていたし、バーディは確かに獲れなかったけれど、余力じゃないですけど、(明日から)いいスコアを出せる準備はできている思います。全体的にみれば、途中、ショットが乱れることもありましたけど、うまくパーセーブできていたし、チャンスも比較的多かったし、ノーボギーで回れたことが、今日、一番良かったことかなと思いますね」と語った。ショットもよく、バーディチャンスにつけても、それを決められないときに、選手たちは、どこかでイライラが発生する。そのときに、ショックの感情をどうやって抑え、さざ波にできるかがスコアに表れる。金谷は、それができたというだけだ。だから敢えて「余力じゃないけど、いいスコアが出る準備ができている」と表現したのだろう。
金谷は「最近は、勝ちたいという気持ちが、前に出すぎて冷静なプレーができていなかったと感じている」と言った。期待され、それに応えようとするには、優勝しかない。だから勝ちたいという気持ちが、前に出過ぎる。そういう想い、熱望が肥大して頭でっかちになって、一歩一歩の足がついてこない。そういうジレンマがあったのだろう。だからこそ「うまくバランスを獲りながら残り3日間もいいプレーがしたい」というコメントになる。敢えて、バーディチャンスを逃したことを、サラリとコメントし、スルーして、うまくパーセーブできたホールを自分で褒めているのかも知れない。
「3番もそうですし、前半の17番も左の難しいバンカーに入れて、4メートルほどの距離のパーパットを入れて切り抜けました。大きなパーセーブでした」と付け加えた。
このコースは、マネージメント力が試される。そして「鍵となるのはティショット。どれだけフェアウエイを捉えるか」ということに注視して、ラウンド後の打球練習に向かって行った。
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